csun2012その4

カンファレンスでは前に書いたようにデジタル教科書関連の情報を中心に聞きました。
自分の理解できる英語には限界があるので,同行した同僚に終わったあとに聞きながら確認しているところなので,細かい情報の整理は帰ってからまとめる事になりそうですが,新しい情報としては以下のようなことがあります。
●デジタル図書のデータ形式はEPUB3がもっとも注目されている。
●デジタル図書を扱う情報端末はPCだけでなく,携帯や携帯情報端末(iPadやAndroidなど)と多様になってきているので,それらに対応したビュアーが開発されてきている。
●デジタル図書の中で画像の部分についてもテキスト情報などを付加しようとしている。
といったことがあります。
1つめの事ではEPUB3の仕様が出たこともあり,アクセシビリティーのあるデジタルデータをどのように作っていくかといった話が色々ありました。
DAISY ConsortiumのGeorge Kerscherのセッション「EPUB 3: State of the Art and Accessibility」では,EPUB3になり各国の言語に対応するようになったという1例として韓国のデジタル教科書のデータ形式がEPUB3になったという報告をしていました。
2つめの事ではデジタル図書のデータをiPadなどの情報端末に対応するために専用のソフトを作るのではなく,Webブラウザの中でクラウドのデータを閲覧するソフトの紹介がありました。そうすれば,PCだけでなく,iPadなどでも同じような操作が可能になります。
これは,BooshareとTexthelpが行っていた「Simple, Secure, Scalable – AIM in the Cloud」ではBooshareのデータをTexthelpのWebサイトで閲覧して読み上げなどに対応させることをPCと同様にiPadで操作している様子をデモしていました。

3つめ事はこれまで電子化した図書情報はDAISYや点字,などで扱う場合,テキスト部分のが情報として提供され,画像部分は十分に情報が与えられませんでした。
それを,マンパワーで画像の各部分にどのようなことが書かれているのかテキストを付加する取り組みをはじめているそうです。
これはBooshareを運営するBenetech社がDIAGRAM CenterというのをはじめてBooshareにある図書の画像情報にタグ付けを行う取り組みを紹介していました。これができれば,全盲の視覚障害者だけでなく,弱視の人や発達障害のために画像の情報が十分に読み取れない人にも電子図書を読む際の助けになると思います。また,今後のデジタル教科書を考えた場合に教科書にある画像情報を障害のある子どもたちがわかりやすくするための一助になるのではと思います。
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サンディエゴからのレポートはこれで終わりです。続きは日本に帰ってから書きたいと思います。無事に帰国したいと思います。

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