新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議「特別支援教育におけるICT活用」

昨日は表記の会議に参加しました。

これで3回目です。

今回の議題はICTについででしたので、私とゲストとして慶應義塾大学の中野泰志さんが話題を提供して話し合いをしました。

会議の資料はこちらになります。

新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議(第3回)会議資料:文部科学省

この中で私の資料はこちら

【資料1-1】金森委員  (PDF:1815KB) PDF

直前に1枚だけ追加してもらいました。

全体としては2枚目に入れたもので、そのスライドが上記の写真です。

私がこうした場にICTの話をさせてもらえるのも沢山の当事者の人たちがいるからです。

左上は先日紹介した橋本紗貴さん

「できない無理」を重ねても何も生産的ではない「橋本紗貴さんおめでとう」
2年前の11月5日に島根のシンポジウムで会った橋本紗貴さんが、教員試験に合格したとの知らせをもらいました。 このシンポ...

伊藤さんのこのブログから写真を拝借しました。

一見、色白のかわいい女子大生ですが、とんでもないド根性ムスメなのです | ポランの広場|福祉情報工学と市民活動
くまもん県の色白の女の子。 中学2年生のある日,突然身体が動かなくなり,目も見えにくくなりました。 聞こえにくくもなり,さらには,触覚もほとんどなくなりました。 それでも,今は女子大生になり,教員を目指してがんばっています。 2か月ほど前に以下の文で始まる相談を受けていました。

そして、左下の写真はこの前に会ったばかりの廣田瑠華さん

視線入力装置を考える際にぜったいに見せたい動画
この夏は全国の研修会にお伺いすることがあります。 多くはタブレットの研修なんですが、最近は視線入力についてのお話もすることがあります。...

この写真は文部科学省の教材整備指針の改訂にあわせて使わせてもらったものです。

そして、右下は田中あかりさん

【読書ノート】あかり、みんなといっしょ 脊髄性筋萎縮症の少女、地域の学校で学ぶ
今日はバリアフリー展、こちらに来る前に滋賀によって田中あかりさんのご自宅にお伺いさせてもらいました。 今回の訪問は沖縄旅行の時...

彼女といっしょに沖縄の阪神のキャンプに行ったときに国際通りを街歩きをしたときのもの。

最後の右上は松谷ともなおくんの言葉。

TEDxKids@Chiyodaより「もっと自分らしく学べる社会へ」
TEDxKids@Chiyodaの様子がWebで公開されました。 以下はTomonao Matsuyaさんの発表です。 Never gi...

これだけ、写真ではなく言葉になってしまいましたが、彼のこの言葉はとても重く、なんとカンファレンスの標語になっています。

なんとカンファレンス
なんとカンファレンス - 「いいね!」1,016件 · 65人が話題にしています - 障がいのある人の生活を楽しく豊かにすることをお手伝いします。

ICTを活用することで、どんなメリットがあるかということは私がどんなに話すよりも彼らのエピソードをお伝えすることが一番だと思っています。

さて、ここでは4つの提言をさせてもらいました。

  • Assistive Technologyの活用に関する知識と技能を有したICT支援員の配置
  • 教育センターや特別支援学校によるICT活用に関するサポートセンター機能
  • 養成段階から現職に至るまでの教員の専門性の向上のための仕組み作り
  • デジタル教科書を含むICT機器並びにアクセシブルなインターネット環境の整備

1つめで言えば京都府の高松崇さんのような人もいますし、2つめは高松養護学校がそういった事をしています。3つめについては、香川大学などは坂井聡さんが教えた教員はそうした力を付けていますし、4つめは東京都などはより積極的にICTを活用した事例も持っています。

ですが、これらはまだまだ限られた状況であるのも事実です。

国として、現状を認識してもらい、その方向に進むことが考えてもらうには、この会議をもとに中教審の会議に提案してもらえますので、重要だと思います。

紗貴さんの記事にも書いた「できない」言い訳ばかりを言ってもらいたくないからです。

さて、同じ会議に出席した中野さんの資料は彼曰く「半年間の講義の内容を盛り込んだ」ぐらい充実したものでした。

【資料1ー2-1】慶應義塾大学 中野教授  (PDF:5429KB) PDF

本人に確認したところ、会議の委員ではないので伝えたいものを入れていったらこうなったという子です。

その中でも私がとても大切だなと思ったのはこのスライド。

医学モデルと社会モデルのこと。

障害のある人にとってのICTの意義
• 心身の機能を補完する道具(医学モデル的意義)
– 例えば、弱視児の低い視力を補い、文字や図形等を拡大してくれる「ルーペ」は、教科書等の文字や図形等が小さいという「社会的障壁」を克服するために、低い視力を補う道具。ICT機器としてタブレットを使うのは、道具の進歩を意味する。
• ICTによるインクルーシブな社会の再構築(社会モデル的意義)
– 社会のICT化によって、教科書等がアクセシブルなデジタルデータで提供され、誰もが自分に適した設定で読むことが出来るようになれば、文字や図形等が小さくてアクセス出来ないという「社会的障壁」がなくなる。

(中野さんの資料9枚目より)

1つめの医学モデルは私が示していたアシスティブテクノロジーとしてのICTの活用。

しかし、それらを有効に活用させるには社会自体が変化していかなければならない。

思うに、文化が高度化し、文字を読んだり書いたりすることが重要になってくることによってLDが問題になった。第1次産業の就業者が減り、第3次産業のニーズが増えることにより、コミュニケーションが重要になってくることで、ASDの人が生きづらくなっている。

社会が障害者を作ってしまう面もあるが、ICTが当たり前の社会になることで、社会的な障壁も低減される事にもなる。

機器ありきではないと言うことはここにあるのかなと思いました。

さて、会議ではそうした事に対して教育方法や教育内容を変えていくことも重要ではないかという話も出ています。

熊谷晋一郎が興味深い話をされていたのは、受験の際にパソコンの使用が認められないので口述で介助者に書いてもらったそうですが、漢字についてはその字の部首を言わないといけなかったそうです。

普段の生活では聞かなかったような漢字の部首も覚えなければならない、漢検を勉強したい人や国語学者になろうというのであればそれも一つの教養かもしれませんが、単に大学受験のためにその知識が必要なのだろうか。そして、私たち書ける人はそんな事も意識しなくても漢字は書くことができます。

つまり、教育のシステムを見直すことなしに特別支援教育だけが頑張ってもダメなのではないかと思います。

さて、取材に来ていた新聞社がいち早く記事にしていました。

ただ、有料記事だったようで途中までしか見られません。

特別支援教育でのICT活用 有識者会議が議論
これからの特別支援教育の在り方を検討している文科省の有識者会議は11月8日、第3回会合を開き、特別支援教育でのICT活用について議論した。ICTを活用した障害者の学習支援の取り組みについて発表した中野泰志慶應義塾大学教授は「社会や学校でのICT利用を当たり前にし、インクルーシブな社会の実現を目指すことを、この有識者会議...

次回は12月2日に会議があるのでそれまでには議事録などがまとめられると思います。

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