ちちゃこさんのTwitterより転載「定型発達症候群」私たちの中にある固定概念を考える

前に紹介した「ちちゃこ」さんが、新しい漫画をTwitterに掲載されました。

今回の作品は「定型発達症候群」この言葉どこかでみたことありますよね。

そう、NHKが発達障害のキャンペーンをしたときに使っていました。

NHKの本気度が伝わります、5月21日から1週間発達障害の特集番組が続きます
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NHKが発達障害プロジェクトというサイトを作りました。 これを見ると5月21日より1週間特集番組が予定されているようです。 5/21 (...

ただし、この記事のリンク先をたどっても、今はその当時の情報が載せられていません。

もしかすると、いろいろと議論があったのかもしれない。

というのも、ちちゃこさんがこの漫画を載せたところ障害を推奨するのかというようなニュアンスの指摘があったそうです。

本来の意味は、ASD(自閉症)の人の生きづらさや、不安などを知ってもらうために書いたものが、裏返してみられるというのは本意ではなかったでしょうね。

さて、ASD(自閉症)とはどういうことでしょうか?

このブログを見に来る人は、関係者が多いのでいまさらという感じもしますが、復習の意味で。

前の職場の国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターにはこう書いています。

自閉症とは・・・

3歳位までに現れ、(1)他人との社会的関係の形成の困難さ、(2)言葉の発達の遅れ、(3)興味や関心が狭く特定のものにこだわることを主な特徴とします。このうち、知的発達の遅れを伴わないものを高機能自閉症といい、知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものをアスペルガー症候群といいます。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。

とあります。ただし、学説によって定義に違いがあること、WHOの診断基準であるICD-10とアメリカ精神医学会のDSM-5では表記も微妙に違いますし、分類も違います。

一般には「シンドローム(症候群)」という言葉や「スペクトラム(虹)」という言葉でその多様性を表現しますので、「これだ」と決めつけるのはとても危険です。

発達障害の情報を積極的に発信しているLITALICOさんのWebサイトがその違いをとてもていねいに説明されているので、参考にするといいでしょう。

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ASD(自閉スペクトラム症)とは?専門機関や診断基準を解説【専門家監修】【LITALICO発達ナビ】
ASD(自閉スペクトラム症)は発達障害の一つです。「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」の2つの特徴があります。 この記事では、診断されるときの基準と、「ASD(自閉スペクトラム症)かも」と思ったときに相談できる専門機関や診断基準、受けられ...

ちなみに、学校現場は文部科学省管轄ですので、ICD-10を元に、表現されることが多いです。

文部科学省では「教育支援資料」に「自閉症」についてのことが書かれていますので、これを参考にしてみましょう。

教育支援資料:文部科学省

自閉症http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/13/1340247_13.pdf

ここではこのように表現されています。

自閉症とは,1他人との社会的関係の形成の困難さ,2言葉の発達の遅れ,3興味や関 心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害である。その特徴は,3歳く らいまでに現れることが多いが,小学生年代まで問題が顕在しないこともある。中枢神経 系に何らかの要因による機能不全があると推定されている。

ただ、大切なのはその定義をすることではなく、そういった困ったこどもをどうして支援するかと言うことでしょう。上記の教育支援資料にはその部分も書かれていますので、参考にしましょう。

さて、漫画の続きです。

大切なのは、最後の2枚のスライドですよね。つまり困っているのはどちらなのか?

実は、その人自身が生きづらくなっているとすれば、すなわち環境自体が機能不全になっているのかもしれない。

そんな事に気がつかないと、本人のせいにしてしまう。

そう思います。ですので、NTの人だって、環境とのマッチングが悪く生きづらくなっていれば、つらいことです。

でも往々にしてNTの人よりもASDの人の方が生きづらいことが多いのです。

そんな事をこの絵から考えていけるといいともいます。

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