モノを媒介としつつ、ココロをつなぐ


久々のネタバレネタです
研修会の演習で、視覚障害のある人と、聴覚障害のある人が対面でコミュニケーションするという設定をしてもらい、どう意思疎通するかということをやってもらいます。

視覚障害のある人が話しても、聴覚障害の人は聞こえないかもしれない。

聴覚障害のある人が手話をしても、視覚障害のある人は見えないかもしれない。

対面で会うことが一番ヒューマンだといわれるかもしれないが、実は、対面で会うことの方が一番意思が疎通しづらかったりする。
今から20年以上前、インターネットがが普及する前に、パソコン通信をやっていました。
その頃は、文字情報だけを通信媒体にしていたのですが、そうすると、視覚障害のある人はテキストデータを読み上げソフトなどで読んでこれれば聞くことができる。
聴覚障害のある人は、文字が読めれば、それを見て確認できる。
ネット上では、意思疎通ができるのです。
当時は、ニフティーサーブというネットには、障害児教育フォーラムというのがあり、PC-VANというのには、障害者SIGというのがありました。
この、SNSの走りのようなところで、盛んに情報交換していたんですが、オンラインでの交流だけでなく、オフラインで集まろうということがありました。
これをオフ会といいました。
そうすると、とたんに会話ができなくなる。
いまなら、誰もがスマホやタブレットがあるので、それでネットにつなげて、対面だけだけど会話ができたかもしれない。
だけど、当時はそんなモノはなかったので、とたんに不便になる。
そのときに、肢体不自由のある青年が手話を覚えていて、彼が通訳をしたことを覚えています。
すると、彼がコミュニケーションを円滑にする役割を担えたんです。
これも、ICFの環境因子かもしれませんね。

さて、この話ではパソコン通信という「モノ」を媒介しに他方が実は「直接会う」事よりも意思がつたえやすかった。

もう1つエピソードがあります。
初任で勤めた学校で、パソコン通信ネットを開きました。
そこで、脳性麻痺のある生徒も参加したんですが、とても優秀でした。
しかし、自分の声で意思を伝えても、とても時間がかかりますし、身体的な負担も大きい。学校でのリアルタイムな会話では、短い言葉で端的に自分の意見を述べるようにしていました。
ところが、自宅にワープロ専用機を入れ、パソコン通信ができるようになると、学校での出来事を、豊かな表現で自分の意見が表明できたのです。
これは、相手に待ってもらうこともなく、自分の自由な時間で、自分のペースで意思を伝えることができるようになったからです。
このことは、私の今の仕事につながるきっかけになったと感じます。
これらのことは、タイトルにある

モノを媒介としつつ、ココロをつなぐ

という活動だったのだと思っています。

さて、おまけの話ですが、上記の演習では二人一組になってもらい、iPadとロービジョン体験キット、お題のカードを用意します。
聴覚障害者役の人はお題のカードに書かれたことを、iPadを使って、眼鏡をかけた視覚障害役の人に伝えます。
これをやると、すんなりと伝えられる場合もありますが、大半は手間取って往生しています。
人数を増やして、4〜5人でやる場合には、残りの人たちは、支援者になりますが、声に出して教えてはいけないという設定にします。
様々な方法で、伝えてくれるので、とても興味深い演習となります。
ここで使った、ロービジョン体験キットはこちらから購入しました。
http://www.iccb.jp/salon/goods/taikengoods/lowvisiontaikenkit/(リンク切れ)
リンク先が変更になりました。こちらです。

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