秋田大学教育文化学部研究紀要「肢体不自由特別支援学校における タブレット型端末の活用実態に関する質問紙調査」

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表記の論文が鈴木徹さんと大城英名さんから出されていました。

論文の要旨は以下になっています。

近年,ICT 機器の目覚ましい発展により,学校現場でも様々な機器が活用されるようになってきた。その中でも,タブレット型端末は「持運びが便利」,「本体の操作部がシンプルに整理されていてわかりやすく,タッチパネル式の画面を指さしで直接選択することができ,使用者によって見えやすく操作しやすい場所に置くことが可能である」など,利便性に優れていることが指摘されている(田中・小林,2013)。
 肢体不自由特別支援学校においてもタブレット型端末の活用は注目を集めている。田中・小林(2013)は,重度重複障害のある児童に対してタブレット型端末を用いた学習の効果として,学習に対する意欲が高まることを指摘している。金森・長沼・徳永・齊藤(2013)は,肢体不自由特別支援学校を対象とした AT・ICT の活用とセンター的機能に関する調査において,タブレット型端末の活用に関する4項目(保有台数,活用方法,児童生徒のニーズと実際の状況,今後の活用の可能性)の質問を行った。その結果,1)活用環境が整っていない学校は多いものの,活用の可能性に対する期待は大きいこと,2)コミュニケーション・エイド,認知学習時の教材など,活用方法が多岐にわたっていることを明らかにした。その上で,今後,活用環境を整備していくとともに,活用情報を提供していく必要性を示唆した。現状においては,タブレット型端末を活用した学習・指導が行われ始めているものの,活用事例のデータが蓄積されているとは言えないだろう。タブレット型端末の導入を躊躇する理由が活用のメリット・デメリットを把握できていないことだとすれば,学校現場におけるタブレット型端末の活用実態や教員が抱える課題を明らかにすることで,効果的かつ多様な方法での活用が期待される。
本研究では,肢体不自由特別支援学校の教員を対象にタブレット型端末の活用に関する質問紙調査を実施し,子どもの状態像に着目して学校現場におけるタブレット型端末の活用の実態を把握することを目的とする。

ありがたいことに、私の論文を引用させていただいています。
私の論文は、この研究を元にその活用度普及することを目的としていますので、お時間があればご覧ください。

さて、本論文では東北地方の肢体不自由特別支援学校という、ある意味限定的な地域でのデータです。
タブレット端末活用については、全国的に見て九州地区でその利用率や,ネットの環境などは進んでいるように感じるので、同じ調査を全国または、九州地区でやると違ったデータになりそうな気もします。
ですが、活用方法やその課題となる部分は参考になりますね。
その中で、活用方法を以下の5つの分類にしたのはとても興味深いです。

1.学習・指導場面
2.子ども同士のコミュニケーション場面
3.保護者とのコミュニケーション場面
4.教員間でのコミュニケーション場面
5.その他

1の学習指導場面や2のコミュニケーションというのは、学校場面でもよくイメージされる活動ですが、3番目に保護者とのコミュニケーションをあげるのですね。
これについては、指導場面として準ずる家庭、知的代替、自立活動主の課程の他に訪問教育を上げていることと関係しているように思いました。
また、利用の方法についても、訪問教育での活用とそれ以外の場面では、その内容の割合が大きく違っています。
これについては、病弱特別支援学校とつながることではと思いました。
なんにせよ、肢体不自由特別支援学校のタブレットPCの活用についてまとめた貴重な論文であることは確かです。
また、最後のまとめに

 学校現場においてタブレット型端末が普及するほど,活用スキルの習得が教員に求められる。実際に端末を活用している教員でさえスキル不足を感じているなかで,これから導入を予定している教員に課せられたハードルは高いと言える。今後は,教員の活用スキルのレベルに合わせた研修会の実施や実践事例に関する知見の更なる蓄積が求められよう。

とある。
やはり、教員がどのように使いこなすか、というスキルの課題は大きく、そのための研修が急務であろう。

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