
〔bo-symbolより)
本日よりATACです。
とても楽しみです。
さて,今年からATACの日程が大幅に変更になりました。
初日は例年だとプリカンファレンスということで講習会的な内容がありましたが,今年はこれが最終日になっています。
逆に初日は学会のような形で,口頭発表をしてそれについてのディスカッションという形態しかありません。
そこで,プリカンファレンスの演題を見てみました。
「ICT活用のセカンドステージ ~読み書き計算に困難を有する中学生の通常学級におけるタブレットPC活用~」
「英語学習の難しさにつながる認知特性について」
「コンピュータビジョンから味覚刺激による表情反応を可視化する」
「飲み物の選択場面における重度重複障害児の自己決定の保障に関する実態調査」
「重度重複障害児の運動量の増減に着目した観察結果の傾向 2年間の校内学習会を振り返って」
「発達障害のある人におけるインターネット上のコミュニケーションで生じたトラブルに関する事例研究」
「認知機能アセスメントツールとしてのデジタルパズルの可能性」
「タブレット端末の活用により本人の意欲を取り戻せた事例 -高齢者へのICT活用を試みて-」
「指導段階に配慮した支援機器を活用したコミュニケーション指導事例」
「発達障害児・者の聴覚過敏に関する実態調査」
当然といえば当然ですが,例年見ている特殊教育学会から比べても,ICT活用の傾向は大きいです。
支援機器 1
AT 0
ICT 2
AAC 0
iPad 0
タブレット 2
携帯端末 0
PC 1
パソコン 0
VOCA 0
コミュニケーション 2
教材 0
デジタル 1
マルチメディア 0
こんな感じです。中身的にはICTに関わる発表が多いですが,演題には現れません。これについては,紹介的な研究ではもう無くて実際にその運用上の課題を検討しているのでタイトルには出てこないことが予想されます。
さて,ではこれまでの研究動向としてICTやタブレットなどの活用がどのぐらい紹介されているでしょうか。
論文検索として有名な国立情報学研究所のCiniiを使って
「特別支援教育 ICT」
「特別支援教育 タブレット」
「特別支援教育 iPad」
で検索をかけてみました。
するとそれぞれで
〔ICT〕111件
〔タブレット〕29件
〔iPad〕7件
ヒットされました。
重複された研究もありますが,概ね後半になると数は絞られます。
これらの論文についての発行年度を見ると
例えばICTだと
2015 23件
2014 10件
2013 14件
2012 19件
2011 7件
2010 22件
2009 3件
2008 6件
2007 2件
2006 2件
2005 1件
2004 1件
2003 1件
となっています。2010年から項目数が2桁に増えており,2015年はまだ終わっていませんが,それでも件数は一番多くなっています。
同様にタブレットだと
2015 8件
2014 10件
2013 7件
2012 1件
2011 2件
2010 1件
となっており,2009年以前にはありません。
iPadだと
2015 2件
2014 0件
2013 5件
となっています。特定の機種ですが,現状特別支援学校で一番導入されているタブレット端末がiPadであるので例えばWindowsで探しても3件,Androidでは1件もありませんので,関心の度合いに差があることが見て取れます。
こう見ていくと2010年というのが特別支援教育での支援技術でのタブレットPC活用の転機のような気がします。
それはiPadの発売にも符合します。
ここで挙げられた事例については,国立特別支援教育総合研究所の「特別支援教育教材ポータルサイト」に1事例ずつ整理されて紹介しています。
例えばiPadというキーワードで探すと,こちらの事例が見つかります。
というのでなく,生徒のニーズに応じた事例となっています。
今は,機器がとても普及してきて手に入りやすくなっているとはいえ
ただ単に使ってみました
といった実践が聞かれてしまうのはとても残念な気がします。
ATACのような高いレベルでなくても実践の質を高める工夫をしてもらえるといいと思います。