【必読】坂井聡著「知的障害や発達障害のある人との コミュニケーションのトリセツ」

ATACではこちらの書籍を一緒に書いた坂井さんから表記の本を寄贈いただきました。

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以下目次

目次

はじめに
1章 支援するとはどういうことか

1 支援するとはどういうことか
2 ICIDHからICFへ
3 障害があると言われたらなぜ、抵抗感を持つのか
4 障害があるとはどういうことなのか
5 障害があるとかないとかではなく、「なぜ、困難なのか?」と考えてみる
6 支援と訓練は両立するか
7 診断があることの意味

2章 意思を伝える

1 自己決定すること
2 自己決定や自己選択がその後の生活を変える
3 自己決定できるようにするためには
4 発信にこだわる
5 AACという考え方
6 「話すことができる」という評価でよいですか
7 評価が大切
8 問題行動で表現している
9 こんなことがありました
10 要求、注目、拒否の表現を探る
11 適切な方法を身につけるには
12 じゃあ次は

3章 テクノロジーを使う

1 VOCAを知ってますか?
2 VOCAの特徴を活用する
3 どんなことばを入れるの?
4 こんなことがありました

4章 わかるように伝えるために考える

1 エコラリアが出たときには
2 ASDのある人たちはどう理解しているのか
3 視覚的にわかりやすくすることが重要
4 ある疑問

5章 ASDのある人は視覚優位なのか

1 視覚優位とは
2 知的障害のある人とは
3 聞いたり見たりしたことを理解するための能力の発達
4 イメージする能力の発達は
5 知的障害のある人の場合は視覚的な支援が有効である
6 ASDのある人の場合はどうなのだろう
7 視覚的支援は有効なのか
8 視覚的支援の優位

6章 構造化

1 冷たい感じが
2 なぜ構造化しないの
3 本当にそうでしょうか
4 これだけで十分ですか?
5 本当にわがままなのか?
6 スケジュールは必要ですか?
7 どのような方法がありますか?
8 タイマーの活用をしてみる
9 タイマーをどのように使うのか
10 切り替えには心の準備も必要

7章 構造化に魅了されているあなたへ

1 その構造化は間違い
2 この失敗が語ること
3 じゃあどうすればいいの

8章 構造化だけでは

1 儀式的行事で
2 儀式的行事の位置づけ
3 ある質問
4 構造化が通用しない?
5 どんな工夫があります?
6 事前に知らせるという方法もあります

9章 生活に生かすためにどうする

1 学校ではできるのに
2 暮らしの中で生きる力に
3 家庭での支援のアイデアをどのように考えるのか
4 何ができて何ができていないかを考える時に
5 できそうなことがやる気につながる
6 地域生活に広げられる
7 支援はなくならなくてもいい
8 わからないと問題行動に、わかると解決
9 常識にとらわれないことも重要

10章 支援機器の活用

1 バランスよく使い分けること
2 コンピュータをどのように使いますか?
3 コンピュータが変えるものとは
4 こんな体験からも考えることができる
5 生活の範囲が広がる可能性も
6 スマートフォンのカメラで

11章 必要な支援を受けるために

1 サポートブックを書いてみる
2 どんな内容が必要?
3 最低限必要な情報では?

12章 同じ景色が見られるように

1 特別扱いすることです
2 感覚過敏に対する配慮も
3 こんな工夫もある
4 このような発想をするためには

13章 おわりに

参考文献
あとがき

坂井さんの講義や講演を聴いたことがある人なら、「あのときに話されていたことだ」というのが思い出されます。「カンダラムジムジ」も「ピーチクパーチク」もその時の坂井さんの語り口が浮かびます。

ですので、この本はぜひ坂井さんの講演を聴いた後に復習のためのテキストとして購入することをお勧めします。

そうすることで、お話をしっかり理解し、次の実践につながると考えます。

さて、私なりに気になった部分をいくつか紹介します。

1つめは「視覚支援」のはなし。

自閉症のある人への視覚支援は有効だとよく言われます。もちろん、坂井さんもその部分を否定しているわけではない。ですが、何で有効なのだろうか。

それについての坂井さんの経験に基づいた考察が書かれています。

視覚支援を否定する人も、視覚支援の意味を深く考えもせず、ただ実行するだけの人もぜひこの本を読んで考えてもらいたい。

そしてそれと同じことが「構造化」についても書かれています。

これについては、坂井さんの実体験での失敗が紹介されていて、本人目線での構造化になっていないことによる「管理のための構造化」の危険性が書かれいてとても興味深かったです。

障害者支援を考えるときに、どうしても本人目線の取組にならず、「どう分からせるか」「どうやって動けるようにするか」といったことになりがちです。

ここで紹介する「コミュニケーションのトリセツ」というのはそういう、関わる側に対する「トリセツ」なのでしょう。

坂井さんが常々言っているのは「コミュニケーションの障害」は本人ではなく「支援者」が持っているのではないかということ。

そういった<支援者>の「コミュニケーション障害」を解決するための「トリセツ」だと思って読んでもらうといいと思いました。

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