未来のトラブルのために学ぶ権利を侵害されていいわけない

study_wakaranai_boy
いらすとやより)
 読み書き障害のあるお子さんの保護者から、タブレットPCを学校に導入しようとしても、なかなか学校の中で受け入れられなかった。
と言うお話しをいただきました。
教員からは

黒板の写真を撮る時には気をつけろとか、SNSに投稿されたり、ウイルスに感染してネットに流出したら困るとか…

という、指摘があり

では、過去にそのようなトラブルがあったのですか?

と質問すると

ないけど、今後あるかもしれない…

と言われ

そういうことなら、そのようなトラブルが起きないようにする対策を考えましょう

と言っても

でも、それも絶対ではないでしょう?

と言われたそうです。
だからといって、先生が読んでほしいときに読んで、書いてほしいときに書いてあげてくれれば問題解決するのでしょうけど、

それはムリ!

とおっしゃるとのこと。
なので

それじゃあ学ぶ権利はどうなるんだ

と思われたそうです。
で、お子さんからは

みんなは勉強するも、しないも自分で決めることができるけど、僕にはそんな選択肢はない。僕は(読み書きに困難があって)勉強をできないんだから…なのに勉強を(自分で)しない人と同じ扱いを受ける。僕も勉強できるようにして欲しい…そしたらみんなと同じように勉強するもしないも僕が決めるから(括弧内は私が付け足しました)

と言ったそうです。
本人にこんな事を言わせてしまうなんてどうなんでしょうね。
教員自身が自分の指導を振り返って、子どもたちの学習保証を考えていただきたい。
そう思います。
さて、それを受けて、お母様が

当たり前に学んできた人には、学びたいと思いながらその機会に恵まれないことの辛さとか、理不尽さというのが理解できないないのかな…
 あるかどうかも分からない未来のトラブルのために、学ぶ権利が侵害されていいわけないし、他の人と違う方法だからと言って正当に評価される権利を侵害されていいわけないってことを、まずはご理解いただきたいなと思う。

と思われたそうです。
この

あるかどうかも分からない未来のトラブルのために学ぶ権利が侵害されていいわけない

というのは、とっても重い言葉です。
 差別解消法が施行されたとはいえ、合理的配慮をどのように、するかどうかは、個々のケースで違ってくる事でしょう。まだまだ、理解をしてもらうには時間がかかります。でも、こういった事例を多くの人に知っていただき、いろいろと考えてもらい、良い解決の方向に進んで欲しいです。

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コメント

  1. かなこ より:

    いつも様々な情報をありがとうございます。
     中1の息子はディスレクシアで、今のところ普通学級に在籍しています。
     先週、定期テストのためのワーク課題が急に大量に出され、息子はやらなければならないとがんばり、夜中の1時ころまでやり、結局体調も崩してしまいました。
     特に国語のワークは、文字・文章も多いせいか、学校、部活でへとへとになった後にこなすのは、かなり大変だったようです。私が隣について読み上げもしていたのですがそれでも、かなりイライラしながらやっていました。
     
     この少し前に、宿題の量を調節してもらったばかりで、なかなかスムーズにいかないものだと感じています。
     
     結局、このサイトで紹介されている平等と公正のイラストと、文科省の合理的な配慮の内容を抜粋して数枚のプリントを作り、学級担任の先生と学年主任の先生と話し合いをしました。
     少し話し合いましたが、結局、私は、法律があるんだから譲歩してください・・・というような感じで説得して、他の生徒と同じ量をやらなくてもよいことにしてもらいました。
     先生と話し合いをする際は、何度かこれまで言いくるめられたので、今は根拠となる資料を必ず作って持って行っています。(資料の参考にさせていただいています。ありがとうございます)
     結局、周りの生徒と同じことが本人に求められるので、非常に困っています。
    勉強が苦手なのが特性だから、少しずつ頑張って勉強することが大切なのに、学校の方の都合を押し付けられてしまいますね。
     また、インクルDBも参考にしようと思いましたが、ほぼ皆無でした。中学校の事例は非常に少なくて・・・まして、LDで通常級では、ほぼなかったです。
     ただ、中学校の先生方が激務の中、こういうケースの生徒に配慮するのはとても大変だろうとも思っています。どうしたものかと、考えながらの交渉でした。