【読書ノート】夢見た自分を取り戻す 成人ディスレクシア、50代での大学挑戦

はじめに

これまでにもブログでご紹介した井上智さんの本が出版されました。

夢見た自分を取り戻す
~成人ディスレクシア、50代での大学挑戦~

今回は、「新しい学び方の提案」「今困っている子どもたちへのメッセージ」「お詫び」という3つの事について書かせてもらいます。

1.新しい学び方の提案

井上智さんは、ご自身が抱える困難であるディスレクシアについて、広く理解してもうために啓発活動をしていました。しかし、そんな啓発活動で遭遇した理解が不十分だったりと思いもよらない出来事からやめることを決意します。

しかし、やめたからといってそれ以前の生活には戻る事はできず、体調を崩されます。

そんな中で高校を卒業しなくても大学に進学できることを知り、大阪芸術大学短期大学部の特修生に入り最終的に大学を卒業することとなります。

入学に当たって大学からは「我が校は、あなたが学ぶために必要なものを取り上げたりしません。それがあれば学べるというなら,しっかり使って学んで下さい」といわれたそうです。

これは素晴らしい言葉ですね。

さて通信制での学びというのは、通学しての学習とは違い、孤独な学びですので、大変です。まして、高校を中退した井上さんは久しぶりの学習ですし、学校時代も学び方について十分に教えてもらえませんでした。

しかし、「オレ流、レポート術」と書かれいているように、今の時代だからこそ学べる方法を工夫しています。

それは、レポート課題など、教科書や課題となる資料は、文字しかありませんが、それらの内容を補完する意味でインターネットで情報を検索して調べたり、関係する動画をyoutubeで見ることで

「学習内容の全体をイメージ化」

していったのです。これこそは今の時代だからこそできる方法かもしれません。

逆に考えると、これまでのように紙の教科書とノートだけの学びというこれまでの形をどう変えていくかも大切なしてんだと思います。

また、それらの学習を奥さまの支援があったにせよ、自分で工夫し、自分から学んでいったことが力になったのだと思います。

試験も「学習した内容の理解度を測る」という形であったことが良かったのでしょう。あらかじめ,答えを作っておいてもそれを「出力」すこことに困難があった井上さんは、回答を音声にしてiPhoneで何回も聞くようにしました。

例え自分の解答だったとしても繰り返し聞くことで、理解が深まっていきました。

もちろん、文字を綴ることは例えパソコンだったとして大変だったようで、よく言われる「ずるい」なんて事はけっして考えられません。

こうした、「自分に合った学び方」ができることはとても大切だと教えてもらいました。

2.今困っている子どもたちへのメッセージ

エピローグにある「オレからみんなへ」というメッセージはとても示唆に富んだことが書かれています。ここには読めないこと・書けないことで苦しんでいる子どもへのメッセージと、そのそばにいる大人。そして、読めないこと・書けないことで苦しんでいる大人と、そのそばにいる人たちへ井上さんが感じたことが書かれています。

特に、子どもへのメッセージとして『「方法」はある』、『助けを求めてよい』と書かれた文章には井上さんがこれまで感じてきたことが込められています。

その上で、ここでの内容は実は子どもへのメッセージというよりも,私たち係わる側の責任について強く訴えかけているものだと感じました。

本当なら、方法はあるはずなのに,それをしない大人と、助けを求めている子どもに答えを提供していない大人がいたとしたら、なんて悲しいことでしょうか。

深く考えさせられる言葉です。

3.お詫び

この本がスペース96さんから送られてきて、本をパット開いたときに115ページがすぐに目に入りました。

そこには「スペルガ違います」に負けない

と書かれています。

これは、井上さんの卒業制作の動画をyoutubeに公開して、Facebookに掲載したときに、何人かからスペルの間違いがあると連絡があったことを述べています。

大切なのは、そんなことではない。まして、井上さんは書きに困難があるのだから、そんなことは大きな問題ではないはず。なのに何でそんな指摘をするのかと、書かれています。

実は、私もメッセージで井上さんにこのことをお伝えした一人だったんです。

今考えても本当にとんでもないことで、申し訳なかったと強く反省しています。

おわりに

井上さんのこの本の一番大切なことは、「こんな苦労をした人がいる」ということを伝えたいのではないと思いました。最後に

Learning Difference 学び方が違うオレ

という言葉が書かれています。

そういった、多様性と個人を認めていく世の中になってほしい。

そんなことを感じました。

最後に、この本を作るに当たっての動画が紹介されています。

ぜひ、これもあわせ多くの人にこの本を読んでもらいたいです。

夢見た自分を取り戻す

夢見た自分を取り戻す
~成人ディスレクシア、50代での大学挑戦~

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