
国立情報学研究所の新井教授のインタビューがニュースイッチというサイトに掲載されていました。
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その新井教授が最近研究されているのが『リーディングスキルテスト』(RST)とのこと。
前期の研究でAIは文章を読解しているのではなく、膨大なデータベースから一致する情報を検索して文章を理解しているかのように答えを出している。
実は、文章理解をしているわけではない。
ところが、高校3年生も前期のテストをしてみると文章の理解力はそれほ高くないと書かれています。
そのためには、新井教授は
プログラミング教育や英語教育、キャリア教育に時間を割いている場合ではない。まず文章を読み、自ら学べる力をつけないと他の教育が始まらない。反対に自ら学べるようになれば、子どもは興味に任せて勉強を始める。先生に教えられて学ぶのでなく、学びたいときに学ぶようになる。教員は授業が楽になるだろう
とおっしゃっています。
いままさに、プログラミング教育をやっている身としては良く考えなければならないでしょう。
さて、気になったので前記のRSTを調べてみました。
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1. 文節に正しく区切る。
2. 係り受けの構造を正しく認識する。
3. 述語項構造や接続詞を正しく解析する。
4. 照応関係を正しく認識する。
5. 日常生活での経験や伝聞から得られる常識と、小学校における学び等から得た知識と、簡単な論理推
論によって、未知の用語の意味を実世界に関する知識の中に位置づける。
6. 日常生活での経験や伝聞から得られる常識と、小学校における学び等から得た知識と、簡単な論理推
論によって、未知の関係や概念の意味を実世界に関する知識の中に位置づける。
7. 既存の知識と新たに得られた知識に対して、論理推論を働かすことにより、実世界に関するさらなる
知識を獲得する。
8. 得られた多くの情報間の重要度を適切に付与する。特に、与えられた観点において、また問題解決の
上で必要な情報を適切に取捨選択する。
9. 同様のことを、図やグラフ等、ほかの論理的表象手段についても実行できる。
10. テキストと図やグラフで表していることの同一性を実世界の意味を介してチェックすることができ
る。
11. 以上の各処理において誤りがないかをメタな視点からモニタリングして修正する。
(http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-1.pdfより引用)
解説を読んでの私なりの解釈としては、1〜4までは文章を読むためのルールのようなものですが、それらを理解するためには限られた知識と経験から内容理解をするための高度な論理思考を身につけている事なのかなと思いました。
そして、それらの力を少なくとも中学3年生までの学習で身につけることができれば、前記の自ら学ぶことができるようになる。
実は、教科書にはそういったことを助けるための要素があって、その力を今の教育では十分に育んでいないかもしれないという指摘です。
RSTでは、どの段階でのつまずきがあるのか調べることができるそうで、こちらにはテストの例が示されていました。
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-2.pdf
私の大学の学生にも受けさせてみたいですね。
ただし、テストを受けさせるだ出なく、それによってどのような学習をしていけばいいのかを示さないといけないでしょう。
最初に紹介した記事には
広く実践しやすい方法としては音読や視写がある。文章を声に出して読む、読んで書き写す。
とあるが、読み書き障害のある人の場合には、ここら辺をどのように代替すれば読解力を高められるのかといったことも興味があります。
追補
新井先生が教科書について指摘した記事があったので追加します。
http://magicaltoybox.org/kinta/2017/11/14/15870