ロボットというとどんなものを想像するだろうか?
今はやりはなんと言ってもPepper君ですね。
そして、先日行った愛知県立みあい特別支援学校にもPepper君はいます。
この学校では、こんな研究会が開かれていました。
みあいワークショップ2017
Pepper君を動かす演習などもあったんですが、私はそれではなく「弱いロボット」という講演の方に参加させてもらいました。
この講演をしたのは、豊橋技術科学大学の岡田美智男教授。
ロボット技術というとどうしてもアトムのような万能で優れた機能を持ったものを想像します。
しかし、岡田さんの作る「弱いロボット」は自分では何もできない。
例えば、よちよちと歩くゴミ箱型のロボットがいて、人のそばに近づく。
そうすると、その人はなんだかこの頼りないロボットを見て手伝いたくなり、ゴミを入れてあげる。
ここには相互交渉の関係が生まれる。
岡田さんの講演はとても刺激的で面白かったのですが、その中で「ひとりでできないもん!」という言葉がありました。
親は子どもの成長を願い「一人でできる」という事を願う。
生まれたばかりの赤ちゃんは何もできないが、成長するにしたがっていろいろとできてくる。
靴下も自分ではけるようになる。
そうすると「ひとりでできるもん!」という事になる。
しかし本当に一人ではけているのだろうか。
実は、壁を背に寄りかかって靴下をはいているかもしれない。
そこには、環境としての壁に支えられてはいている。
すべてを自分だけで出来ているのでは無いかもしれない。
岡田さんのロボットは
足し算の思想ではなく、引き算の思想でどんどんと機能を減らしていく。
そんな事をすると何もできなくなるのではと思うが、実はそうする事で人間との相互交渉の中で新しコミュニケーションが生まれる。
お掃除ロボットが掃除をする際に、いろいろなものが床に散らばっていると掃除ができなくなる。
必然的に人間は、いろいろと床に置かなくなり、部屋が片付いていく。
これは、ロボットが掃除をしているのだろうか、それとも人間が掃除をしているのだろうか。
そんなお話をいろいろとされていました。
私たちの「デキル」というパラダイムを環境との関係から考えられるとても良い機会をいただきました。
岡田さんの事を紹介した記事がこちらにありました。
研究会が終わった夜の懇親会でなんとご著書をいただいてしまいました。
悔いが残るのはサインをもらい忘れた事。
またの機会があればぜひいただきたいです。