福岡の福島さんから、国立特殊教育総合研究所(現在の私の職場である国立特別支援教育総合研究所)に研修したときの報告書をWebに紹介してくださいとアドバイスをいただきました。
研修から終わった後に、学校のWebサイトに掲載し、その後大学院での研究で上記のようなWebサイトを立ち上げ、そこに掲載したことを思い出しました。
ハードディスクの奥にしまってあったWebサイトの生データが見つかったので、掲載します。
よく考えると、この頃からWebでの情報発信というのを積極的にやっていたのだなと、感心しました。これも、同僚だった伊藤さんのおかげです。
以下に挙げるものは、1995年という今から22年も前の資料ですので、使えないものも多いと思いますが、昔はこんな感じだったんだなぁ、と眺めていただければいいかなと思います。
ちなみに、画像データはありませんのでテキストのみです。
金森「研修成果報告書」
平成7年度
国立特殊教育総合研究所
長期研修成果報告書
肢体不自由教育におけるコンピュータ等の利用について
−コミュニケーションとコンピュータ利用の系列化の試み−
教育工学研究部
金森 克浩
東京都立光明養護学校
目次
はじめに 1
1、コミュニケーションを中心とした分類 2
A、スイッチトーイを利用したコミュニケーション 2
B、VOCAを利用したコミュニケーション 4
C、コンピュータを利用したコミュニケーション 5
D、情報ネットワークを使ったコミュニケーション 6
2、ソフトウェアを中心とした分類 7
A、ソフトウェアの分類 7
B、教材ソフト製作に関する考察 11
3、入力装置を中心とした分類 12
A、入力装置の分類 12
B、入力装置についての考察 16
おわりに 19
引用・参考文献 20
謝辞 22
資料 Windows95 の障害者アクセシビリティー機能について 資料 1
はじめに
日本においては、運動機能の障害のため、発声や筆記が困難な子どものための、
コミュニケーションを補助するものとして、コンピュータやワープロなどを使った
実践が行われてきた。そこでは、表現手段を獲得することで、内面にあるものが豊
かに変わっていくことが認められてきた。しかし、比較的障害の重い子どものコン
ピュータ等の利用については、十分に研究されていない。欧米においては、近年A
AC(Augmentative and Alternative Communication)という考え方が研究、実践されて
おり日本にも導入されてきている。AACでは、「コミュニケーションの確立こそ
が障害を持った子どもに与えられた優先的課題」であると述べられ、障害の重い子
どもに、機器を利用することによりコミュニケーション手段を確立することの有用
性を示している。本報告でも、このAACの考え方を取り入れながら、コミュニ
ケーションでの活用について述べる。
また、肢体不自由教育においては、その子どもたちの障害の状況が多様であるた
め、関わる子どもたちに合わせた個別的なソフトウェアや入力装置が多くなり、広
く普及しにくくなっている。そこで、より多くの教員が子どもたちの実態にあった
ソフトウェアや入力装置を利用できるように分類と系統化を試みてみた。
ここで取り上げたソフトウェアや入力装置は、筆者が関わった範囲でのものであ
るので、すべてのものを網羅するものではない。ここで取り上げないソフトウェア
や入力装置についてもこのレポートのように整理され、多くの教員が利用しやすく
なり子どもたちに還元されることを期待したい。
1,コミュニケーションを中心とした分類
肢体不自由児教育における機器利用を考えたとき、これが利用された初期段階か
ら、子どもたちの表現を援助し、拡大させるための補助用具として、利用されてき
た。コンピュータ登場以前から使われていた文字盤やスタンプなども、コミュニ
ケーション機器といってよい。しかし、その時点で考えられてきたことは、書字や
音声によるコミュニケーションが困難な子どもたちに対して、その表現手段をどの
ようにして置き換えるかが主流であったため、それ以降のコミュニケーション機器
利用に関しても、「文字表現を主とする子どもに利用するもの。」という、認識が
あった。しかし「言葉によるコミュニケーション」だけが、表現手段ではなく、A
ACが主張するように、自ら他者に働きかける、または、自らの働きかけと環境の
変化との関係がわかり、外界に働きかけることからがコミュニケーションであると
とらえられるようになっている。
以下に、自己表出もあいまいな段階からコンピュータを中心に機器利用をする場
合の利用例を述べる。
A.スイッチトーイを利用したコミュニケーション
体のどこか1部でも随意的に動かすことが出来れば外界に対して働きかけること
ができる。またスイッチの操作などは、はじめから「確実に押せる」ものでなくて
なくてもよい。「なにかの働きかけをすると結果がでる」(Cause and Effect)というよ
うな学習経験をすることで、「自分にもできる」という成功体験をする事が大切で
ある。
「電池で動くおもちゃ」や「ラジカセ」「ボイスメモ」など身の回りにあるもの
にBDアダプターを付けることや、少し改造するだけで、1スイッチで操作するこ
とができる。環境に働きかけたり、身の回りのものを「自分で」動かすことは大切
な活動でる。
また、これらのものは働きとしては単純であるので、これを介してどのように子
どもとのやりとり(コミュニケーション)ができるかが大切であり、ただスイッチ
を入れ、おもちゃを動かす学習にだけ終わらせてはならない。
1,ビッグマック、ボイスメモ
コンピュータなどの画面を見つめることが難しくても、音を聞いて楽しめる子ど
もは多い。気に入った音を、録音して再生させたり、挨拶の音をいれて会話のきっ
かけに利用できる。
ビッグマックは円盤の大型スイッチの中に音声を録音する機能があり、スイッチ
を押すことで、音声を再生することができる。また、外部スイッチを付ける端子も
あるため、他の入力方法を選ぶこともできる。
また、ボイスメモ(図1)も同様の機能があるが、標準ではスイッチを付ける端子
がないので、内部の配線からスイッチの端子を引き出して、外部スイッチがつなが
るように改造して利用されている。
(図1)スイッチコネクターをつけたボイスメモ
2,ラジカセ
ビッグマックやボイスメモと同様に音を操作して遊ぶことができる。最近市販さ
れているラジカセは、電池の部分にBDアダプターを入れて、コントロールできな
いものがあるので、注意が必要である。
3,電動おもちゃ
電池ボックスの付いたおもちゃの場合、BDアダプターを差すことによって1スイッチで制御することができる。利用例としては
・おもちゃ同士の押し相撲
・金魚の餌やり
・2台のラジコンカーでの風船割りゲーム
・電動水鉄砲
などがある。
4,ポラロイドカメラ
スイッチを付けるジャックが付いたポラロイドカメラが市販されている。他人か
ら写真を撮られたことはあっても、自分で撮ったことのない子どもにとっては、大
切な経験となる。知的に遅れの少ない子どもでも喜んで利用していた。
5,電動ミキサー
調理学習においても、ただ見ているだけだったり、手を添えてもらって活動する
のでなく、電動ミキサーの電源部分にスイッチをつなげられる機器(100Vリモ
コン エスコアール など)を利用することで、自らできることが増えてくる。同
じように電気扇風機や照明のスイッチを操作するなど感覚刺激に働きかける学習な
どもある。
6,コンピュータソフトウェア
次章のソフトウェアの利用で詳しく述べるが、シンプルな画面設定で操作するも
のもある。これらは、おもちゃなどと違い、子どもの状況に応じて画面の提示や音
声を多様に切り換えることができる点で柔軟性があるが、かかわり手が操作に習熟
したり、コンピュータを移動させたりしづらいなどの問題もある。
7,入力インターフェース
電子工作などが得意であればおもちゃなどから直接配線を引き出してスイッチを
つなげることも可能であるが、おもちゃなどを傷つけずにスイッチをつなげるには
「BDアダプター」などが有用である。また、操作するものによっては、押し続け
なくてはならなかったり、繰り返して押してしまうとうまく動かせないものもあ
る。コンピュータ上では、ソフトウェア的に入力を変えることも可能であるが、そ
うでない場合は「スイッチラッチアンドタイマー」などを、BDアダプターとス
イッチの中間につなげることで入力を保持したり、先行入力をキャンセルしたりす
ることができる。
B.VOCAを利用したコミュニケーション
VOCA(Voice Output Communication Aids)とは、言語に障害のある人のための携帯型の音声を使ったコミュニケーションエイドである。これまで日本におけるVOCAとしては、「トーキングエイド」ぐらいしか知られていなかった。これは、主に文字を獲得している子どもでないと使用が難しい。しかし、文字を獲得していなくても音声やシンボルによってコミュニケーションをとることが可能な子どもたちも多い。このような利用の仕方ができる機器も増えている。
また、アメリカでは液晶タッチディスプレイ(通称 ダイナミックディスプレイ)を使ったVOCAも開発されて利用されている。これは、固定的なスイッチではないので、会話の内容を階層化することができる。たとえば、画面上の「食べ物」のスイッチをおすと、画面が切り替わり色々な食べ物が出て、それを押すことで食べたいものを表現することができる。
1,トーキングエイド
日本においてVOCAとして製品化したものとして多くの人が利用している。丈
夫であり音声フィードバックがあるので、文字を獲得している人だけでなく、文字
を学習している段階の子どもにも利用できる。
専用のアタッチメントを付けてスキャン式に文字を選んだり大型キーボードをつ
なげることもできる。オートスキャンについては外部スイッチで電源を入れること
が出来ないのが難点である。
2,キャノンコミュニケータ
アメリカにおいてはトーキングエイドより古く利用されていたが日本語キーボー
ドを備えたものが最近発売されるようになった。サイズは小さいが専用のキーガー
ドも付き、携帯性に優れている。また、コンピュータの入力機器としても利用でき
るが、後述するシリアルキー対応する事が望まれる。
3,メッセージメイト
20〜40までのメッセージを登録してコミュニケーションに使うことができる。
キーの数や大きさを変更できたり、ボタンを押すだけでなく標準でスキャン方式に
よって選択できる点は優れている。また、スイッチを入れると電源が入ってすぐに
操作できるのは日常利用する上で大切な要素である。
4,スピークイージー
12のキー合わせて120秒まで録音でき、スイッチにシンボルや写真を付けて利用
することができる。また、最大12の外部スイッチをつなげることができる。
C.コンピュータを利用したコミュニケーション
コンピュータを利用することにより、入力方法やソフトウェアの設定など様々に変更できる。利用されはじめた初期にはワープロ的な使い方がほとんどであったが、シンボルを使ったソフトウェアも使われるようになっている。
1,パソパル(MZ2500,PC98 ナムコ)
シャープのMZ2500用のコミュニケーションエイド。トーキングエイドと同
じレイアウトをした画面と、カナ漢字入力ができるモードと2つの画面を持つ。コ
ミュニケーションエイドの草分け的なものだが、MZ2500が製造中止になってしま
い現在はNECのPC-98シリーズに移植されている。
2,漢字Pワード(MSX,DOS/V パシフィックサプライ)
MSX用のコミュニケーションエイドとして利用されていたが、パソパルと同様
MSXが製造中止になり、DOS/V機に移植されている。50音表の母音だけを表示し
て、そこから次の階層に入り文字を選択する方法や、スキャンするバーを上から下
に移動するか、左から右へ移動するかの方向を選ぶことができる。また、スキャン
するバーがジワジワとアナログ的に移動してくるので、タイミングを計って操作で
きる人にとっては使いやすい。
3,2穴式学習プログラム(PC98 SE-PDS No.76 小川義博作)
4,もじえらび(図2)(Mac 自作 金森克浩作)
どちらも、画面上の50音表を2つの文字群に分け、選択する文字がある方のス
イッチを押すことで、文字を絞っていき、入力したい文字を選んでいく。どの文字
も同じ入力回数で選択できることが特徴である。
(図2)もじえらび
D,情報ネットワークを使ったコミュニケーション
1,パソコン通信
身体に障害のある子どもは、その障害のため日常の活動範囲に制約を受け、社会
経験が不足しがちになる。また家庭においても生活の幅が狭く、パターン化された
ものになりやすい。これらの問題は成長期にある子どもにとって、精神面や概念形
成に影響を与えると考えられる。
自己を表現することが困難な子どもに対して、これまでワープロや、パソコンな
どの電子機器を使うことで、潜在する力を表現させる実践が多く試みられてきた。
しかし、子どもたちが機器を使って表現する場は少なく、学習や生活の一部に限定
されていた。そこで、パソコン通信が利用できるようになった早い時期から、肢体
不自由教育においてパソコン通信が使われてきた。パソコン通信では、自分の自由
な時間にメッセージの読み書きをすることができるため、電話のように即時的な応
答性を求められることがなく、また、手紙よりも早く情報伝達ができる利点があ
る。日常の生活では、言語に障害があり、意志の表現に時間がかかるため「はい」
「いいえ」ぐらいしかいい表さない子どもが、パソコン通信では自分の感情を長い
文章で書き表した例もある。
2,インターネット
インターネットを利用することにより、コミュニケーションの幅が広がってくる。
また、そこから得られる情報はテキストベースだけでなく、画像や音声なども扱う
ことができるので、文字を学習していない子どもにも利用できる可能性がある。
2,ソフトウェアを中心とした分類
A,ソフトウェアの分類
これまで障害児教育用のソフトウェアを分類し、整理されたデータベースは少な
い。研究所に寄せられた参考ソフトも、登録された順番になっており、障害者と
コンピュータ利用教育研究会が製作した「自作教材ソフト集」も、作者別の分類と
なっており、どのような指導内容にこれらのソフトウェアが利用できるかが明確で
ない。三室(1990)は「肢体不自由教育におけるパソコンの利用」において知的発
達に応じた指導のプログラムとして、次の七つのステップを挙げている。
・各種センサーの利用を通して表現を引き出す段階(0歳レベル)
・人とのコミュニケーションの教具としての利用の段階(一歳レベル)
・物の操作とシンボルコミュニケーションの段階(二歳から五歳レベル)
・文字を使ってのコミュニケーションの段階(五歳から六歳レベル)
・文や文章をとおしてのコミュニケーションの段階(七歳から十歳レベル)
・文章でのコミュニケーションと教科指導を広げる段階(十歳以上のレベル)
・職業指導の段階
これを参考に、上記のソフトウェアを中心として以下のような分類を試みた。
1,操作の入門に位置するもの(触ればなにか変化する)
2,文字や言葉の学習前期に位置するもの(形のマッチングなど)
3,文字学習として利用するもの
4,教科学習の助けとなるもの
5,コミュニケーションエイド的なもの、
6,その他
1,操作の入門に位置するもの(触ればなにか変化する)
この段階で利用されるソフトは、スイッチトイなどと同じようなもので、前述し
た(Cause and Effect)がポイントとなる。
a)スイッチを押すと画面が変化するもの
・スイッチイントロ(Macintosh 市販品)
障害児用に作られた市販のソフトウェアである。9つのステップがあり、スイッ
チを押すとただ画面の色が順番に変わっていくものから、少しずつ絵が完成するも
の、見本の絵と同じものをスキャンしている選択項目から選ぶものなどが入ってい
る。画面によけいな情報を表示せず、操作の方法がわかりやすい、このようなソフ
トウェアが市販されていることは評価できる。
・ドリームゲーム(MSX 市販品)
「花火」「UFO」「ふくわらい」「ファイター」「パズル」「リング」「形色
数」「どっちかな」の8つのセットがあり、スイッチイントロ同様スイッチを押せ
ば画面が変化するものから、タイミングを合わせて操作することで、スイッチ操作
の練習用にも利用されていた。市販で日本製のソフトウェアとしては先駆的なもの
であるがMSXが製造中止となってしまい、実行環境が無いのが残念である。
・花火(PC98 市販品)
1スイッチで画面上を左右に動く船から花火が打ち上がる。設定も様々で、単純
に花火が打ち上がるものから、2段打ちやねらい打ちまであり、オートスキャンタ
イプのソフトウェアの操作の練習に利用できる。
・シーガルソフト(PC98 SE-PDS No.5 神奈川第2教育センター)
このソフトウェアの中の「1、おしてごらん」はスイッチを押すだけで、画面上の
ロケットが完成するソフトウェア。音もFM音源しかなくシンプルである。
b)ビデオを使って画像を操作するもの
・たまちゃんこんにちは(PC98 自作 江田裕介作)
PC98からビデオデッキをコントロールして画面を動かすソフトウェアである。画
面の中には身近な人が登場し、スイッチを押すと自動的にビデオが再生され一定時
間立つと止まるようになっている。最近は画像を取り込めるコンピュータがでてき
ているが、今でも画質や手軽さからビデオを利用する教材は有効である。また、身
近な人がビデオの画面に出ることで、子どもの興味を喚起することが出来る。
c)紙芝居的なソフトウェア
・もぐもぐもぐ(図3)(Macintosh 自作 金森克浩作)
1スイッチで画面をめくり、絵本を読み上げてるソフトウェア。キーの先行入力
をキャンセルするように工夫されている。
(図3)もぐもぐもぐ
2,文字や言葉の学習前期に位置するもの(形のマッチングなど)
コンピュータが使われはじめた初期の時期には、教員の自作したものがほとんど
であったが、市販の幼児用学習ソフトウェアが出てきており、この中には障害児教
育用で利用できるものがある。
a)形のマッチング
・GGGソフトシリーズ8(PC98 SE-PDS No.32 群馬県立二葉養護学校作)
形の認識から文字学習まで7つのステップに分かれて、教材が用意されている。
「1、幾何図形の見本合わせ」「2、色の見本合わせ」「3、せんずけいの見本合
わせ」「4、50音ひらがな文字の見本合わせ」はそれぞれ、見本に合わせて、2
つのスイッチを押し分けて弁別学習をする。「5、絵カードと単語の見本合わせ」
は表示された2つの絵カードから1つを真ん中に表示された単語に応じて選択す
る。正解すると、絵カードのところに文字が移動し、間違えるといったん移動して
元に戻るのはわかりやすい。「6、絵カードに対応した単語の構成学習」(図4)
は絵カードと見本の文字が右に表示され、左側の50音表から対応する単語を3ま
たは5スイッチで選ぶ。「7、50音学習プログラム」は3または5スイッチで入
力する簡単なワープロソフトである。「4、50音ひらがな文字の見本合わせ」以
降に関しては、文字学習の内容が主になっている。
(図4)「6、絵カードに対応した単語の構成学習」
3,文字学習として利用するもの
小学校の低学年の学習内容として位置する、文字の導入や言葉のマッチングなど
がある。このような内容のものは、最近幼児や小学校低学年用として、市販されて
いるものが多くなっている。
GGGソフトシリーズ6(PC98 SE-PDS No.30 群馬県立二葉養護学校作)
前節の5の内容と同様に見本の単語に合う絵を選ぶソフトウェア。このソフト
ウェアの場合は、タッチスクリーンで画面を指し示すようになっている。
文章選び(図5)(Macintosh 自作 金森克浩作)
画面の上に提示された言葉と同じ動作をする絵を2スイッチで下から選ぶソフト
ウェア。
(図5)「文章選び」
4,教科等の学習の助けとなるもの
a)数学
ノートに書くことが難しい子どもが計算学習を理解するために、パソコンの画面
上で計算学習をすることができる。実際に計算の過程を経験させることにより、計
算の意味を理解させることは大切であるが、すべての計算の学習をこのソフトウェ
アでやるのには無理があるように思う。計算の意味が理解できたならば電卓を利用
することで次の学習に進ませても良いだろう。
・計算ノート(PC98 SE-PDS No.49 加瀬 奨作)
縦書きの計算ができるソフトウェア。外部入力装置を使って操作する。
b)音楽
上肢の運動機能が十分でなく、楽器を弾くことが難しい子どもでも、適当な入力
装置をつなげることで音楽を楽しむ事ができる。また、直接子どもが操作せず、授
業に音楽データを活用する方法もある。
・作曲ソフト(PC98 自作 三室秀雄作)
市販音楽関係のソフトウェアの多くはマウス操作を必要とするがこれは、テン
キーの6つのキーだけで作曲することができる。可動域が少ない子ども用に作られ
たものだが、外部スイッチをつなげることで、他の子どもにも使うことができるな
ど利用範囲は広がるだろう。
・GGGソフトシリーズMIDI(PC98 SE-PDS No.35 群馬県立二葉養護学校作)
これはMIDIの曲データである。これらのMIDIデータは、朝の会の指導において音
楽を利用したかかわりの際に、曲を子どもの実態に合ったテンポで自動で演奏させ
指導に利用している。また、入力装置を付けることで、子どもが場面の進行に応じ
て曲を選択して演奏させることもできる。
5,コミュニケーションエイド的なもの
ここでの内容は1章の「コンピュータを利用したコミュニケーション」の項と重
複するので、そこで述べている。
6,その他
このほかにシミュレーションゲーム的なもので行事などの事前学習として利用す
るもの、などがある。
B,教材ソフトウェア製作に関する考察。
1,現在、市販の幼児用のソフトウェアも多く開発されており、利用可能なものもが多
くなっている。しかし、肢体不自由児にこれらを使わせる場合、入力方法で問題が
起きる。入力装置で工夫できるものもあるが、ソフトウェアそのものを、変更した
方が良い場合もある。そのような状況の時、子どもの個々の状況に合わせて自作す
る必要が出てくる。
2,肢体不自由児が利用しやすいようなソフトウェアを製作する場合、「マウス操作」
「キーボード操作」「スキャン入力」の3つの入力方法を選べるようになっていれ
ば、利用度は高いと考える。特定の子どもたちの状況に合わせて、製作するのです
べてをまかなうことは難しいが、それらの方法がモジュール化されていて、ソフト
ウェアを作る際に組み込めるようになっていると良いと思う。それと同様に、身近
な物の画像を取り込んだり、音を入れられるようにしておくと、汎用性が高くな
る。教員が実際に使う際に大切なのは「ちょっとした変更」ができる点である。
3,BASICやCなどの汎用のソフトウェアを利用して製作する場合、開発方法の習得に
時間がかかり、また開発が大変である。最近は様々なオーサリングツールが発売さ
れているので、そちらを利用することを勧める。また、「Director」や「OMO」な
どWindowsとMacintoshの両方のプラットフォームで動作するソフトウェアを利用す
る方が、良いと思う。
4,コンピュータの進歩は著しく、機種の変更も激しいため、古い環境では動かせなく
なっているソフトウェアも多い。MSXやPC98のBASICで作られたソフトを新しい環
境で動かせるようにするエミュレータも存在する。ただし、音が鳴らなかったり全
画面表示されなかったりなど、問題も大きい。古いソフトウェアの考え方を参考に
しながら新しく作り替えた方が良いようだ。
3,入力装置を中心とした分類
A,入力装置の分類
以前に比べて障害者用の入力装置は様々なものが入手できるようになった。
「キーボード入力」「マウス入力」の助けをするものや、代替するもの、ソフト
ウェア的に置き換えるものまで様々である。ここでは以下の4つに分類してみる。
1、スイッチ
2、既存の入力装置に付加するもの
3、代替装置
4、汎用入力エミュレータ
1、はコンピュータに直接つなげるわけではなく、コネクターなどが必要となる
ものであるが、障害の状況によって直接キーボードやマウスなどを操作できない人
に利用できる入力装置。2、は既存の入力装置に付加することによって、コン
ピュータアクセスが容易になる入力装置。3、は既存のものの置き換えとして使え
る入力装置。4、は特殊な機器やソフトウェアを使うことで、どのコンピュータソ
フトウェアでも操作できるようにした入力装置である。
1,スイッチ
スイッチについて、以前はコミュニケーション機器を作る各社がコネクターの形
状を独自に採用していたため、ミニプラグ、ミニジャック、D−Subなど互換性がな
かった。しかし、最近アメリカの多くに企業が採用しているミニプラグに変更され
るようになってきており、相互に接続できるようになってきたのは良い傾向であ
る。
a)プッシュスイッチ(図6)
いわいるボタンを押すタイプのスイッチで、大きさや力の加減など様々なものが
市販されている。
(図6)プッシュスイッチ
b)ストリングスイッチ
ひもを引っ張ると入るスイッチであり、固定されたスイッチに手が届かない状態
であっても操作できる。
c)フレキシブルスイッチ
どの方向でも触れば入力されるようになっている。入力方向を選ばないので、
「偶然に」スイッチを触ったらおもちゃが動いた、というところから、子どもの意
図的な操作を促す場合にも利用できる。
d)タッチスイッチ
力を必要としないので、筋力の弱い子どもには有効である。しかし、操作感がな
いので、音声などでフィードバックするなどの工夫が必要である。
e)音声スイッチ
音声スイッチは声に反応させて入力するスイッチである。現状では音声認識を利
用してコンピュータを操作することは難しいが、随意的に声を出せる子どもには有
効である。また、音に反応して動くおもちゃも市販されており、スイッチトイとし
ての利用も考えられる。
2,既存の入力装置に付加するもの
既存の入力装置(キーボードやマウス)に対し、改造を加えずに機能を付加するこ
とで上肢に障害のある子どもでも利用が可能となる場合がある。
a)ハードウェア
(1)キーガード(各社)
アテトーゼタイプの脳性まひ児は、手の運動コントロールが出来ずにキーボード
を正確に押すことが難しいが、キーガードを使うことにより、目的のキーのみを押
すことができる。透明なアクリル製と、金属製があるが、キーの見やすさから、ア
クリル製の方が良い。キーガードについては、各社から製作されているが、特別に
注文して作ってくれるところもある。
b)ソフトウェア
(1)イージーアクセス(Macintosh)
「マウスキー」「スローキー」「複合キー」という3種類があり、主にキーボー
ド入力を補助する機能である。OSとして最初からサポートされていた点は評価で
きる。
(2)アクセスドス(DOS/V)
「StickKeys」「MouseKeys」「ToggleKeys」「Keyboard Response Group」「
SerialKeys」「ShowSounds」「TimeOut」の7種類の機能がある。日本語版では「
SerialKeys」だけがはずされている。
(3)ユーザー補助機能(windows95)
「キーボード」「サウンド」「画面」「マウス」「情報」の5つの設定がある。
3,代替装置
a)キーボードの代替
(1)トーキングエイド用大型キーボード
(2)インテリキー (DOS/V・Macintosh用)
(3)キネックスオンボード(キーラルゴ)(図7)(Macintosh用)
(4)タッチパッド (PC98用)
(2)(3)(4)は専用のソフトウェアを使い、キーボードのレイアウトを作ることができ
る。また、必要な機能のみをレイアウトして作ることができる。また、専用のキー
ガードもあるが、厚めの塩化ビニールに穴をあけて、ボタンの数と同じに設定する
こともできる。
(図7)キネックスのオーバーレイの図
(5)オンスクリーンキーボード
画面上のキーボードをマウスやトラックボール、またはマウスエミュレータを利
用してクリックすることで入力する。筋ジスなど可動域が狭い子どもがキーボード
代わりに利用できる。また、レイアウトを大きくとって50音表にすれば、コン
ピュータのキーボードに慣れていない人にも有効である。
(a)イージープロローグ(Macintosh)
(b)キネックス(オンスクリーンキーボード)
b)マウス
(1)タッチスクリーン(各社)
上肢にはあまり運動障害がない子どもで、選択肢の提示点と操作点が一致した方
がいい場合には有効である。液晶型でタッチスクリーンを内蔵するようなコン
ピュータが安価に利用でき、机上で利用できるようになると良いと思う。
(2)トラックボール(各社)
上肢にマヒがありマウスを上手に操作できない子どもでも、トラックボールなら
使うことができる場合がある。また、筋ジスのように運動範囲が狭い子どもにも有
効である。
(3)こねこの手(PC98、DOS/V、FMR-50)
マウスの操作を外部の11個のスイッチで操作するマウスエミュレータである。
MSX用のジョイスティックがつながるので、自作のスイッチをその先につなげるこ
とも可能である。
4,汎用入力エミュレータ
特殊な入力装置やソフトウェアを使い、既存の入力装置のと同じ機能を果たすも
の。これらは、そのままでは使えず、利用するソフトウェアに合わせて操作方法を
設定する必要がある。しかし、専用の学習ソフトウェアを作ることなく、市販のソ
フトウェアを利用できる点で、優れていると言える。
a)キネックス(Macintosh アップルディスアビリティーセンター)
Macintosh用のソフトウェア。Macintoshのすべての操作を「スキャニング」
「オンスクリーンキーボード」「モールスコード入力」「代替キーボード」で操作
することができる。また、標準のキーボード入力を拡張してキーに特殊な機能を割
り付けることもできる。セットアップを自分で作らなくてはならないが、ある程度
のものは標準添付されている。PCS(Picture Communication Symbol)を使った絵
カードなどのデータが利用できるので、文字以前のコミュニケーション手段にも利
用できる。しかし、スイッチのジャックが3つあるにもかかわらず1入力しか対応
していない点が残念である。ただし、スイッチイントロなどの他の市販ソフトウェ
アに対応させるための設定があり、その場合のみ3つのスイッチが可能となる。
(スキャン操作には使えない)
1996年3月時点で日本語化された。
b)Wivik(Windows パシフィックサプライ)
「外部スイッチを使ったキーボード入力、マウス操作」「マウスを使った画面上
の文字盤入力(オンスクリーンキーボード)」を実現するソフトウェア。
外部スイッチは5入力まで可能なミニジャックとD-SUB 9ピンのコネクター(ミニ
ジャック5つの内2つ分は、更に別にステレオミニジャック1つとしても取り出せ
る)があるスイッチボックスをプリンターポートにつなげて操作する。また、ジョ
イスティックポートに外部スイッチをつなげることもできる。キーボード入力の文
字盤は使用時に自由に大きさを変えられることが特徴である。ただし、メニュー、
マニュアルなどは日本語化されておらず、日本語キー独特の「半角/全角」「ひらが
な」「変換」「無変換」なども入力できないため、FEPの制御をすることは出来な
い。また、PC98シリーズについては外付けのインターフェースを使用することは出
来ない。
c)シリアルキー(Windows95、Windows3.1、Macintosh、DOS/V)
シリアルキーは、Trace R&D Center(ウイスコンシン大学)が提唱した、GIDEIと
いう入力デバイスの規格を基に、実用化された入力支援ソフトウェアの名称であ
る。日本においては、まだこの規格に対応するような入力デバイスは発売されてい
ないが、コンピュータのシリアルポートに障害者が日常使っているコミュニケー
ションエイドを接続し入力装置にする事ができるなど、その利用の幅は広がってい
くと予想される。
現在シリアルキーを標準でサポートしているのはWindows95のユーザ補助機能の
みだが、インターネット経由で上記のTrace R&D CenterのWWWサイトから英語版
のWindows3.1版、Macintosh版のシリアルキーを入手できる。また、シリアルキー
は英語版のアクセスドスに入っているが、日本語版のアクセスドスからは削除され
ているのは残念である。
現在の問題は、「半角/全角」「ひらがな」「変換」「無変換」などの日本語キー
ボードの独特のキーが対応していない点である。また、PC-98シリーズの
Windows95のシリアルキーには問題があり、うまく動作しない。
d)モールスキーボード(PC98、FMR-50、Macintosh)
コンピュータのキーボードコネクターに電鍵やスイッチをつなぎ、モールスコー
ドで入力する装置。モールスコードに慣れていなくても、コード表を見ながら入力
することができる。また、特殊なキーについては他のスイッチをつなげることで効
率化させることができる。慣れると、一般の人がキー入力するよりも高速に入力す
ることができる。
e)ソフトパートナー(PC98 NEC)
PC-98用の液晶タッチパネル型のキーボード。画面上に入力ボタンが現れ、触るこ
とで入力するが、専用のソフトウェアで変更することもできる。また、外部スイッ
チを使い、オートスキャンで入力することもできる。
f)WING52
国立特殊教育総合研究所の松本廣氏作の汎用型入力エミュレータ。ソフトウェア
を変更したりコネクターを付け替えることで、キーボードやマウスなどの入力装置
を機種を問わずにつなげることができる。汎用性が高いが、ソフトウェアを組み込
まなくてはならないのが難点である。
B,入力装置についての考察
1,スキャニングに関して
1入力でスキャンする場合、オートスキャンが一般的である。しかし、緊張の強
い脳性まひ児の場合、タイミングが合わせることが難しく、問題が大きい。本人の
ペースで操作できるよう2つ以上の入力部位を見つけてやり操作させる方がよい
が、そうならない場合でも、一番楽に操作できる方法を見つけだすことが大切であ
る。これまで、1スイッチで複数の対象を選択する場合の操作方法として以下のよ
うなものが利用されている。
(1)オートスキャン
自動的に画面上のカーソルが移動して行き、タイミングをみてスイッチを押す方
法。この場合問題となるのは「移動する速さ」、「誤入力の訂正」、「選択対象の
並べ方」「グループ分けの仕方」などである。「選択対象の並べ方」は他の方法に
おいても重要なことであるが、なるべく少ない方法で入力できるように文字盤など
の並びを変更できるようになっている方がよい。50音表で入力する場合を例に取
ると、特別な機能を使うもはなるべく後の方に並べたり、特殊な文字は別のグルー
プに入れることなどが考えられる。(図8−1、図8−2)またグループ化によっ
ても効率の面で変わってくるが、文字を学ぶ初期の段階の子どもには、複雑化させ
ない工夫が必要である。
(図8−1)キネックスに付属する文字盤。
(図8−2)キネックスに付属する文字盤から、特殊な機能を別のファイルにし
て、選択文字を少なくしてみた例。
(2)ステップスキャン
決められた時間内にスイッチを離してから押すことで、次々と選択対象を送って
いき、対象となるものに来たときにスイッチを離して確定する方法。ある程度、ス
イッチを押し続けることが出来れば、自分のペースで対象が移動していくので精神
的な負担が少ない。
(3)インバース
スイッチを押し続けると、自動的に候補が移動していき、選択対象に来たときに
スイッチを離して確定する方法。
(4)三室式入力法
東京都立八王子東養護学校の三室秀雄氏が考案した方法で、画面上に操作バーが
出て、進行モードの時にスイッチ押せば、候補を送っていき操作バーが確定モード
になったときにスイッチを押すと確定する。何も押さなくても、確定モードが終了
すると選択対象が移動するので、オートスキャンとステップスキャンの両方の良さ
を兼ね備えている。1スイッチでもある程度本人の意思で動かすことができる。
2,操作する上での問題点
コンピュータやコミュニケーション機器を利用する場合、操作姿勢に気を付ける
必要がある。無理な姿勢や、緊張した状態を長く続けるのは健常者でも体に良くな
い。まして、障害のある子どもにとっては、悪い影響をもたらすことがあるので、
入力装置のフィッティングと同時に入力姿勢について機能訓練の教員と相談しなが
ら検討する必要がある。
おわりに
ハードウェアやソフトウェアの進歩によりコンピュータの利用環境は大きく改善
してきた。それによりより多くの人に使えるものが出来てきているが、まだまだ、
機種間の違いや入力機器を利用する上での状況整備は出来ていない。今回のレポー
トにある「シリアルキー」のような、機種や入力環境を問わずに利用できるものが
出来てくることが望まれる。
また、障害児教育においては、学習内容が個別的なものになるために、多くの実
践が整理されないままに埋もれる可能性がある。これから進むであろうネットワー
ク環境が整備され、実践事例やソフトウェアなどの教材が流通し、これらを系統的
に整理して、必要なときに利用できる環境が整うことを期待する。
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謝 辞
本研究を行うに際し、1年間の長き機関に渡しご指導いただきました詫間晋平部
長をはじめ教育工学研究部の皆様方に厚く御礼申し上げます。特に、特殊教育情報
研究室長の松本廣先生からは様々なご助言をいただきました、畏敬の念を込めて深
謝申し上げます。
また、実地研修で様々な情報や機器の紹介、実践などを教えて下さった神奈川県
立第二教育センター、横浜リハビリテーションセンター、福岡県立今津養護学校、
起風会、神戸市立垂水養護学校、岐阜県立関養護学校、京都府立南山城養護学校、
東京都立の肢体不自由養護学校の先生方には心よりお礼を申し上げます。
また、この貴重な研修の場を与えて下さった、東京都教育委員会および、前任校
である東京都立府中養護学校 高橋尚子校長先生をはじめ教職員の皆様、現任校の
東京都立光明養護学校 鈴木峻校長先生をはじめ教職員の皆様には深く感謝いたし
ます。
(平成8年 3月)
平成7年度 長期研修生
金 森 克 浩
(東京都立光明養護学校)
96.6.19
以上です。
入力装置の互換性、アプリケーションの互換性など今はだいぶ改善されましたね。