文部科学省は平成29年度の文部科学省白書を公開しました。
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4 教科用特定図書等の普及充実
平成20年の「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関す る法律」の制定を受け,拡大教科書など障害のある児童生徒が使用する教科用特定図書等の普及を図っています。 具体的には,できるだけ多くの弱視の児童生徒に対応できるような拡大教科書の標準的な規格を定めるなど,教科書発行者による拡大教科書の発行を促しているほか,全国 5 ブロッ クで,都道府県教育委員会等を対象とした音声教材の普及推進のための会議を開催していま す。 平成29年度に使用される小・中学校用の検定教科書のほぼ全点について標準規格に適合 する拡大教科書が,必要な児童生徒に供給されています。また,教科書発行者が発行する拡大教科書では対応できない児童生徒のために,児童生徒一人一人のニーズに応じた拡大教科書などを製作するボランティア団体などに対して,教科書デジタルデータの提供を行っています。 このほか,発達障害等の障害により検定教科書において一般的に使用されている文字や図 形などを認識することが困難な児童生徒が使用する教科用特定図書等として音声教材の整備 充実を図るため,ボランティア団体の協力等を得ながら,調査研究などを行っています。
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5 デジタル教科書の制度化に向けた検討
平成28年12月に取りまとめられた「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の最 終まとめや,29年10月の中央教育審議会初等中等教育分科会の議論において,紙の教科書 を主たる教材として使用することを基本としつつ,必要に応じて,デジタル教科書を併用す ることが適当とされました。これを踏まえ,新学習指導要領の実施を見据えてデジタル教科 書を導入することができるよう,30年通常国会に「学校教育法等の一部を改正する法律案」を提出し,同年 5 月25日に成立しました。
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(3)障害のある児童生徒の教材の充実
障害のある児童生徒について,将来の自立と社会参加に向けた学びの充実を図るためには,障害の状態や特性を踏まえた教材を効果的に活用し,適切な指導を行うことが大切です。文部科学省では,学習上の支援機器等教材の活用について,平成26年度から実施している児童生徒の障害の状態等に応じた使いやすい支援機器等教材の研究開発支援事業に加え,29年度から,支援機器等教材の選定・活用に必要な指標及び学習評価方法の研究事業も開始しました。また,支援機器等教材を活用した指導方法に関する実践的な研究を実施しています。
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(6)国立特別支援教育総合研究所における取組
国立特別支援教育総合研究所は,我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターとして,国の政策課題や教育現場等の喫緊の課題等に対応した研究活動や,各都道府県等におい て指導的立場に立つ教職員等を対象に専門的な研修を行っています。また,インターネットを通じて,通常の学級の教師を含め,障害のある児童生徒等の教育に携わる幅広い教師の資質向上の取組を支援するため,研修講義の配信や特別支援学校教師の免許状保有率向上に資する免許法認定通信教育を実施しています。また,全ての学校をはじめとする関係者に必要 かつ有益な情報を提供するため,発達障害に関する情報の発信,学校における合理的配慮の実践事例の提供及び障害の状態や特性等に応じた教材や支援機器等の活用の促進のため,以 下の取組を推進し,情報発信を行っています。
①発達障害教育推進センター
教育関係者や保護者等にウェブサイトを通じて発達障害に関する各種教育情報を提供した り教師向けの研修講義を配信したりしています。
②インクルーシブ教育システム構築支援データベース
学校における合理的配慮の提供に係る実践事例を公表し,特別支援教育の一層の推進につ なげています。
③特別支援教育教材ポータルサイト
基礎的環境整備(合理的配慮の基礎となる環境整備)の一環として,教材や支援機器等の 活用に関する様々な情報を集約・管理し,発信するためのポータルサイトです。
このほか,平成28年度に「インクルーシブ教育システム推進センター」を設置し,地域や学校が直面する課題を研究テーマとし,その解決を目指す「地域実践研究」や,諸外国の最新情報の発信等を通して,地域や学校における取組を強力に支援しています。
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5 障害のある子供たちの支援
文部科学省は,各学校において障害のある子供たちの障害の状態や特性等を踏まえた教材を効果的に活用し,適切な指導を行うことができるよう,平成26年度から「学習上の支援 機器等教材活用促進事業」を実施しています。企業や大学等が学校や教育委員会等と連携して行う,ICTを活用した教材など,児童生徒の障害の状態等に応じて使いやすい支援機器等 教材の開発を支援しています。
また,ICTを含めた支援機器等教材の選定・活用に必要な評価指標及び学習評価方法について研究する「学習上の支援機器等教材活用評価研究事業」を平成29年度から新たに実施しています。
国立特別支援教育総合研究所は,平成26年度から障害の状態や特性等に応じた教材や支援機器の活用に関する様々な情報を集約・管理し,発信するためのポータルサイトを開設しています。また,「第 2 期教育振興基本計画」で「ICTの活用等による新たな学びの推進」 として記載されている内容に対する研究や,国立特別支援教育総合研究所内にICTを活用した実践的な教員研修を実施するICT活用実践演習室を整備しました。さらに,各都道府県等の指導的立場にある教職員を対象として,情報手段を活用した教育的支援に関する研修などを実施しています。加えて,学校現場で活用されているICT機器の基本的な情報を収集し整理を行うとともに学校現場に役立てた事例を紹介したリーフレットの作成等を通じて障害のある児童生徒のICT活用の支援を行っています。
とりあえずの抜き書きです。内容的に重なっている部分とか、ありますがまずは全体の動きを概観するために参考にしてください。