【読書ノート】平均思考は捨てなさい


ひさびさの読書ノートです。
1940年代頃のアメリカ空軍の戦闘機で操作ミスが多く発生したということが問題になったそうです。
当時の戦闘機は平均的な男性パイロットの体型を基準としてコックピットを作っていたそうです。
しかし、上記のような問題が発生したためある研究者が身長、胸周り、腕の長さなど、10カ所の値の平均を調べたそうです。
すると、なんとその値から前後30パーセントに入っているパイロットはほとんどいなかったとのこと。
4000人もの人間を調べてその結果。
つまり、一人一人の体型にはばらつきが大きく、
標準的
といわれる体型の人は存在しなかったのです。
もちろん、全体の傾向を知るための平均というのは大切だと書かれていますが、
個人
の能力を評価するときには平均だけ考えてうまくいかない。
著者は

個性学

という考え方で、話を展開します。
本書の中では大切だと書かれているのは以下の3つの点。

・バラツキの原理
・コンテクストの原理
・迂回路の原理

です。
ちょっと専門的で難しいですが
バラツキの原理というのは上記のように、統計的なデータと個人の評価は大きく違い、統計のデータだけでは考えにくいこと。
コンテクストの原理というのは、環境によって個人の能力や個性の力は変わってくること。
迂回路の原理では、赤ん坊が成長する段階で必ずハイハイしなければならないと私たちは考えますが、そういった規範的思考が障壁となる場合があるということ。
そんなことなどが書かれています。
特別支援教育を考える上でもとても参考になる、考え方があり、読んでいて凄く考えさせられました。


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