1998年沖縄県立森川養護視察記

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(光明特別支援学校の校章
昨日のこの記録には、私が森川養護学校(現在の森川特別支援学校)を視察した記録も残っています。

以下転載

沖縄県立森川養護学校視察報告

高等部:金森克浩

 

「平成10年度マルチメディアを活用した補充指導についての調査研究」の研究指定を受けた関係で、沖縄県立森川養護学校に視察研修に行かさせてもらいました。

森川養護学校は、県内唯一の病弱養護学校。学校規模も生徒が40名ぐらいで本校にはその半数しか生徒のいない、小さな学校です。

しかし、ことコンピュータに関しては幸地先生を中心にとても充実していると感じました。

 今回は、「平成910年度 文部省指定インターネット利用実践研究地域指定協力校研究発表会」を12月2日に開催するということで、研究授業も見られるし、研究成果も聞くことができるので、日程を調整し、参加させてもらいました。

 一番に感心したのは、先生方の普及率の高さです。コンピュータを使った指導というと、概して、「詳しい先生とその周辺」となりがちですが、森川養護学校では、計画的に研修もされており、教員数が少ないにも関わらず、「指導に」使える先生が多いことに感心させられました。

 幸地先生の人柄もあると思うのですが、一番の理由は子どもたちの要求や、子どもたちが喜んでいる姿を見ていて、始めるようになったと言っていました。他の指導では概して、「教員側から教える」という活動になりがちですが、ことコンピュータやネットワークでは、「子どもの側から教える」ことが可能になります。それを、実践されているのだなぁと感じました。

 もう一つ感心したことは、学校の中のどこでも、インターネットにつながるようになっていたことです。正式な工事をしてるわけではないのですが、ダイアルアップルーターからハブを経由して、パソコンのある部屋からLANが引かれていました。生徒によっては、姿勢の問題から移動が難しい生徒のそばへも、インターネットがつなげることができているのです。

 あと、報告会では、隣接している病院に入院している卒業生の発表がありました。教員の研究会で、実際の生徒が自分の経験を話すと言うことは、とっても説得力があるなぁと感心しました。

 また、翌日は琉球大学医学部付属病院内訪問学級を見学させてもらいました。県内に、9つもの訪問学級があるそうなのですが、そのうちのほとんどの学級でコンピュータが利用されまた、いくつかの学級でインターネットが利用出来るようになっているとのことです。沖縄という地域的な事情もあるようですが、積極的に利用しようという先生方の意気込みを感じました。

この教室もその一つで、インターネットが専用線でつながっており、また、本校と同じ研究指定を受けた予算で、フェニックス(ISDN回線を使ったテレビ電話)が入ってました。まだ、機材が入ったばかりのようで、これからというところでしたが、インターネットの回線よりも高速にデータが転送できるという意味では、興味あるところです。(光明養護の場合は、インターネットを使ったテレビ会議システムを考えていますが、回線の速度の問題があり、画像などは、なかなかうまくいかないのですが。。。)

 実は、このときに初めて沖縄に行きました。

それ以来、沖縄には何十回も行くことになったのですが、一番驚いたのは、いったときに乗せてもらって車でクーラーが効いていたことです。極めつけは、東京に帰ったら雪が降っていたことで、同じ日本とは思えなかったことを覚えています。

そして、記事にも書いていますが、児童生徒が使う道具としてパソコンを利用していたこと。

研究発表会の時には、卒業生がインターネットを職業として活用していた事例があったように思います。

当時は、筋ジスの生徒が多く在籍していたのですが、彼らの生きがいのツールとして、とても上手に使われていました。

環境でいえば、今の方がインターネットも高速になっていますし、使える端末も進歩しています。

ですが、当時の森川養護での実践は私のその後にとても影響していたとと感じるものでした。

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