
金沢星稜大学の河野俊寬さんの新刊です。
河野さんが出された本としては、こちらが有名です。
出版社は別ですが、ある意味こちらの続編ともいえる本です。
その意味では、両方読んでほしい。
今回はタブレットPCに絞っていますが、そこに現れている考え方は同じです。
引用されているのが、今回改定している「教育の情報化に関する手引」の特別支援教育に関する章。
通常の学級におけるICT活用は、その力をより伸ばすことに重点を置いていますが、学習に困難がある子どもたちへのICTの活用では、
子ども自身が、自分の苦手な学習に必要な基礎的、道具的スキルを補助代替するサポートとしての使い方です。(10ページより)
と書かれています。
支援機器としての使い方ですね。
そして
低次の読み書きをサポートするためにタブレットPCの機能を使う、という使い方(11ページ)
とあります。この考えは、前に書いたこちらの本から共通するものです。
だからこそ、特別支援でどうしてICTが重要なのかを、平易に解説しており、通常の学級には必ず在籍している困難を抱える子どもたちに関わる人にはぜひ読んでもらいたいと思います。
さて、タブレットPCをどのように使いこなせばいいのでしょうか?
そこを端的に表しているのが15ページからの「タブレットPCを学習や生活のサポートに子どもがつ書くために必要な12のスキル」として書かれています。
これは
- 画面上の文字を音声化する
- 写真を上手に撮る
- 写真をトリミング等で簡易編集する
- 撮った写真をフォルダー等に整理する
- 写真にメモを記入する
- マッピングアプリで考えたことや知識を整理する
- 自分に合った入力方法を選択する
- 録音してその録音を後で使う
- 自分が読みやすい文字の大きさや背景色等を見つけて調整する
- 紙媒体の情報から内容を理解する
- 漢字等わからない言葉を調べる
- スケジュールを管理する
というものです。詳しくは本書を宇読んでほしいし、Q&A形式でその解説があるので、関心のあるところから読み進めて欲しい。
特に、河野さんはハイブリッドキッズアカデミー等での数多くの実践を積まれていますので、そこで明らかになったポイントを紹介されてますので、説得力がある。
本書の目次は明治図書のサイトに掲載していますので、どのような内容はよく分かります。
個人的に興味深かったのは
-
Q スマホやタブレットのゲームに夢中になってしまいます。どうすればいいでしょうか。(90ページ)
- という問いに対して
「ゲームを削除してください」
というお答え。
私たちでも、スマホにいろいろなソフトが入っていたらついついそちらの方をやって必要なことがおろそかになってしまう。
機器に役割を与えて「学習に使う」として、理解、納得してもらうことが大切でしょう。
ある人が、自閉症のある子どものiPad活用では、ゲーム用とコミュニケーション用は別に用意した方がいいといったことがあります。
自閉症のある子どもは同一性の保持を求めるので、同じ媒体でゲームとコミュニケーションのソフトが入っていると、混乱するとおっしゃっていました。
これと似たような事ですね。
このように、この本で共通しているのは、質問に対して端的に最初に答えを書いていること。とても読みやすいです。
ぜひ、いろいろな人に紹介してもらえればと思います。