読みに困難のある子どもに関わる人はみなさん読んで欲しい「読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A」

読みに困難のある子どもに関わる人ということは,実は学校の先生ならどの先生も関わっているはず。
つまり,学校の先生ならばすべての先生に読んでもらいたいし,読む価値がある本です。

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実はこの本,著者の河野先生から出版されたとお聞きしたのはだいぶ前だったのですが注文してから本が届くまでにだいぶ時間がかかり,書評を書くのに時間がかかってしまいました。

目次はこちら

1.読み書き障害に関する基礎知識
2.読み書き障害の検査・評価
3.読み書き障害へのサポート方法
4.相談を受けてから支援までの具体的な例
5.巻末資料(補助代替ツール、用語解説、ブックガイド)

本の体裁としてはQ&A形式ですので,気になる部分から読み進めていいですし,何か疑問があった時に辞書的に読んでもいいです。
それでも,この本で一番大切なのは38ページ「文字の読み書きのメカニズムは,どのようなものですか?」です。
ですので,ここは必ず読んで欲しい。
読み書きが難しい子どもに対してよく「怠けているから」とか「訓練しないと力が付かないから」といった誤解があります。
しかし,実は読み書きには2つの次元があり「低次の読み」と「高次の読み」があります。
「低次の読み」とはすなわち文字を音に変換して意味を理解するレベル。
「高次の読み」とは文章内容を理解するレベルです。
学校での学習活動で大切なのは学ぶ内容を子どもたちが理解し,使えるようにすることだと思います。そのためにはその「内容」に迫る段階は柔軟に考える必要があるでしょう。
とかく「低次の読み」にエネルギーを注ぐばかりに「内容」に到達する前に子どもたちが意欲を失い,学習嫌いになってしまっては元も子もありません。
この本では,そうならないために様々な支援機器の活用方法を紹介しています。
しかし,支援機器だけでなく,低学年の子どもたちがどのように学習教材を活用すれば意欲的に学べるか,といって視点も入っています。
これまでの様々な知見であったり,関連書籍,関連サイトなども紹介しているので(実はこのサイトも紹介してもらっています)より突っ込んだことを学びたい時には進められるようになっているので,学校の先生はぜひ辞書のようにして活用してもらいたいと思います。

Amazon.co.jp: 読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A : 河野 俊寛: 本
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いやー,これからのブログのネタも色々とあるので活用させてもらいます。

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