
この本が出たのは2012年6月15日
今から4年前でした。
ずいぶん時間が立ったと思ったのは、それ以降にもめまぐるしく仕事をしていたからかもしれません。
自分で作った本ですが、読み返してみてもここで紹介していたことの「基本」となる部分は変わっていないな、と思います。
書き出しの部分が、明治図書のサイトに紹介していますので、転載します。
刊行にあたって
〔実践〕特別支援教育とAT(アシスティブテクノロジー)第1集
2011年8月5日,障害者基本法が改正されました。ここでは障害のある人の自立と社会参加のための必要な支援をとることが述べられています。そのためには,社会全体が障害について理解することや人の配置も大切ですが,本人自身が主体的に生きるために環境整備としてのアシスティブテクノロジー(Assistive Technology:支援技術)が必要だと考えています。
文部科学省が出した「教育の情報化に関する手引」では,アシスティブテクノロジーについて「障害による物理的な操作上の困難や障壁(バリア)を,機器を工夫することによって支援しようという考え方」と書かれています。障害があってもそれを苦とせずがんばれるのならばよいのかもしれません。
しかし,障害があるために実現できないこと,子どもたちが意欲的になれないことがたくさんあるはずです。本人にただ単に「がんばれ」というのではなく,他の子どもたちと同じ土俵に立てるようにするためには支援機器が必要になります。それらは提供されれば使えるわけではないので,使えるようになるためのサービスも必要です。
例えば,事故や病気のために歩けなくなったなら車いすを利用することになりますが,そういった人にとって車いすは支援機器であり,リハビリテーションセンターなどでこぎ方などを教えてもらうことで使えるようになります。
さて,学校ではどうでしょう。文字の認知に課題があり読字に障害のある子どもたちがいた場合,やはり「がんばれ」と言って努力させる場合があります。それでも,他の子どもに比べて圧倒的に読みが遅くなってしまうこともあります。しかし,本の内容を音声で読み上げてくれるパソコンがあれば,内容もわかり他の子どもたちと同じように理解できるようにもなります。アシスティブテクノロジーは,そういった障害による困難さを本人の側だけの問題にするのではなく,環境を整えることで改善する力をもっています。
しかし,聞き慣れない言葉のために難しく感じたり,機器に対する抵抗感などがあり,十分に利用されてはいません。また,機器を使いこなすための技術的な情報も広がってきていないのが実情です。
そこで,より多くの人にアシスティブテクノロジーを知ってもらい,特別支援教育の場で活用してもらいたいという思いから本書を発刊することにしました。多くの皆さんがこの本をきっかけにして,子どもたちの自立と社会参加について具体的な行動を起こしてもらえればと思います。
2012年5月 編集代表 /金森 克浩
http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-037621-6
2011年というと、大震災があった年で、国内も混乱していた時期ですね。ですが、障害者基本法の改定など障害者の権利に関する条約批准のために着実に国内は動いていました。
私が、この本を作ろうと思ったのは、ATやAACなどの考え方は、とても重要ですし、ネットを探せば情報が流れていましたし、ATACなどの研究会もあり、知っている人には伝えられる媒体はすでにありました。
ですが、本当に伝えたい人にはなかなか届きにくい。
当時はデジタル図書の研究をしていましたので、障害のある人に紙の本では伝えられないこともデジタルなら伝えられると思っていましたが、逆に広く一般の人に伝えるのは紙の方がいい。
デジタルに行き着くためにはアナログがいる。
そういった思いがありました。
また、様々な人が実践をしていましたが、そういった実践を評価したり、自分の実践を世の中に出していく媒体がなかった。
ちょうどその頃に魔法のプロジェクトがはじまり、第2集では魔法のプロジェクトの紹介もしてもらいました。
これは、1つの発表の場となっているかもしれませんが、ATに関するジャーナルを作ることで、そこを目指せないかと考えたからです。
第7集まで、何とか作りましたが、残念ながらそこまで。
ですが、考えようによっては、これだけマイナーな本を第7集までつきあってくれた出版社に感謝しなければなりません。
そして、冒頭にも書いたように、あの当時の考え方は今でも変わりません。
第1集の紹介記事はこんな感じでした。
![]()
もう少し、積極的に宣伝していたら、違ったのかもしれないといまさら思います。
http://amzn.to/2fXI85R
コメント
kinta先生
こちらの本を初めて拝読した日を思い出し感慨深いです。
パソコンもインターネットもチンプンカンプンの母親が初めて買った電子図書です。
ダウンロードするまでも四苦八苦したのを思い出します。
電子書籍をめでたくダウンロードでき感激したのも忘れられませんし、
どうにもしてあげられなかった息子の読み書きの大変さに
『してあげられることがある』と手立てがあると希望をもらった本です。
人生の転機のひとつです。
まだまだ、息子には大変なことも多いですが、家では読み書きが出来ないことを
責められることはもうありませんし(恥ずかしながら過去には責めたことがあります)
代替え案を積極的に探すように努めています。
とても大切な事を教わった本です。
この頃を思い出し、心新たに歩んでいきます!