文部科学省が「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」というのを出しました。
特別支援学校を含む公立の小中学校は,これを見て来年の4月に施行される障害者差別解消法に向けて準備をしなければならない。
と思ったのですが,実はそうではないのです。
対応指針の本指針の位置付けにはこう書かれています。
なお、事業者とは、商業その他の事業を行う者(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。)
重要なのは最後の「除く」
という言葉です。
つまり,これは「私立の学校」など公立の学校以外などに対して求められているものなのです。
障害者差別解消法には合理的配慮の説明に以下のようなことが書かれています。
特別支援学校などの公立の学校は法的な義務を負いますが私立の学校等の「民間事業者」は「努力義務」となっています。
しかし,努力義務だからといってやなくてもいいとは書いていません。
対応指針については以下のような説明があります。
本指針で「望ましい」と記載している内容は、関係事業者がそれに従わない場合であっても、法に反すると判断されることはないが、障害者基本法の基本的な理念及び法の目的を踏まえ、できるだけ取り組むことが望まれることを意味する。
なお、関係事業者における障害者差別解消に向けた取組は、本指針を参考にして、各関係事業者により自主的に取組が行われることが期待されるが、自主的な取組のみによってはその適切な履行が確保されず、関係事業者が法に反した取扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合などは、法第 12 条の規定により、文部科学大臣は、特に必要があると認められるときは、関係事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができることとされている。
こうした行政措置に至る事案を未然に防止するため、文部科学大臣は、関係事業者に対して、本指針に係る十分な情報提供を行うとともに、関係事業者からの照会・相談に丁寧に対応するなどの取組を積極的に行う必要があることから、文部科学省においては、第5のとおり、相談窓口を設置することとする。
ですので,行政措置も場合によってはおこりえます。
私立の学校もちゃんとやることが望まれています。
だとすると,公立の学校はどうなのだろうか?
そういった疑問が出てくるでしょう。
そうです。
公立の学校は,ここに書かれていることは当然やらなければならず,それ以上のものが望まれることになります。
そして,
国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人
は,それぞれで対応要領を作ることが求められます。
たとえばこれがそれになります。
障害者差別解消法に基づく対応要領