注
このページは主にスイッチ対応アプリについて扱っています。iOS7のスイッチコントロールについての以下のページをご覧ください。
新 iPadとスイッチを使った「ささやかな」実験 ~iOS7のスイッチコントロールを利用して~
★加筆した部分
2014年1月
お勧めスイッチ対応アプリにSwitch Accessible MazesとSwitch Accessible Matchingを加えました。
このページの書かれていることは、私が実験的に行ったもので、同じことをされても、同様な操作ができるかわかりません。内容は私個人が、行ったことについて書いているだけです。
ここに書かれたことを再現しようとして、iPadが壊れたりするようなことがあっても、著者は一切の法的・道義的な責任を負いません。また、記述に誤りがあっても、著者は一切の責任を負いません。
- Apple カメラ接続キット(またはiBOW Dock)
- PS2→USB変換ケーブル(キーボード用)
- PS2キーボード
この②③を間違えると、非常に危険と思われます。この実験を再現しようとされるかたは、必ず電子機器の専門のかたに、相談してください。間違いがなくても、iPadが壊れるかもわかりません。もちろんiPadの製品保証の対象にならないと思います。
①PS2キーボードを分解し、基板とシートを取り出した。
②シートから必要なキーの2つの接点が、基板のどの部分と繋がっているか、テスターを使って調べた。
③基板の個々の接点と、モノジャックとを線でつないだ。
④ジャックに、スイッチを接続した。
⑤基板についたPS2のコネクタを、PS2→USB変換ケーブルに接続した。
⑥iPadにつなぐ前に、壊れてもよいパソコンに、改造したキーボードのPS2コネクタを繋ぎ、スイッチどおりの信号が送られ、カーソルの上・下・右の操作できるかを試した。
⑦USBをAppleカメラコネクタに繋いだ。
⑧カメラコネクタをiPadに接続した。「デバイスは使用できません」という表示がでたが、「OK」をタップすると、使えた。
⑨ある時、スリープしていたはずのiPadに、再び「デバイスは使用できません」という表示がでた。安全のことも考えて、スイッチインターフェースを使っていないときは、USB変換ケーブルをAppleカメラコネクタから外した。
⑩2012年1月になって、左矢印キーも使えるようにするとともに、リレーを利用して上下矢印同時入力(iPadの場合、タップに相当)が可能なようにした。
※Apple純正のUSBキーボードを使ったら、「デバイスは使用できません」という表示はでないのかもしれませんが、所持していないことと、そもそもUSBキーボードを改造するだけのスキルがないので、できませんでした。
※なお、Apple カメラ接続キットではなく、プリンストンテクノロジーから発売されているiBOW Dockにキーボードを接続すれば、この表示はでません。
参照
iBOW Dock 価格はオープンですが、アマゾンでは5845円です。
※最初ジャックが3個しか手持ちがなかったことと、できるだけ少ないスイッチで操作したかったので、LEFTキーを省略したが、その後LEFTキーも使えるようにインターフェースを改造した。
- ↑ UP
- ↓ DOWN
- → RIGHT
- ← LEFT
以下の設定をすると、スイッチで操作できた。
①「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」から、「ホームをトリプルクリック」をVoiceOverに設定した。
※この設定をしたのは、VoiceOverをオンにすると、タッチパッドの操作方法が変更され、再びVoiceOverをオフにしたいと思ってもなかなかできない場合を想定しています。そのような場合ホームボタンをトリプルクリックすることによって、VoiceOverがオフになります。
②ホームボタンをトリプルクリックして、VoiceOverを起動した。アイコンに黒い枠が表示された。
③←キーと→キーに相当するスイッチを同時に押し、VoiceOverのクイックナビモード(このモードでは基本的な操作が少数のキーで実現できる。)にした。
④スリープ後も、③のクイックナビモードは有効であった。
基本的に、文字入力および、PCにおけるドラッグに相当する操作以外の操作だけで、利用できるアプリは対応しています。
- iBooks
- カメラ
デジカメのリモコンを改造したり、ソレノイドやサーボモータを使う必要もなく、簡単にできますよ。お勧めです。
- Keynote(プレゼンの再生)
- YouTube(再生の停止などはできないようです。)
- Safari
- かなトーク
- VOD(Voice of DAISY) またはVOD LITE
- その他、多数
①→ キーに相当するスイッチを押し、目的のアプリのアイコンにフォーカス(黒い枠)をあてた。
②←キーに相当するスイッチを押すと、戻ることができた。
③Tap(↑と↓キー同時押しに相当する)につないだスイッチを押すと、対象のアプリが起動した。
①「アプリの起動」の方法で、iBooksを立ち上げた。
②→ キーに相当するスイッチを押し、本棚(ライブラリ)にある目的の本まで、移動した。
③↑と↓キーに相当するスイッチを同時に押すことで、目的の本が開いた。
④→ キーに相当するスイッチを押し、「ページセレクタ」まで移動した。
⑤Tapにつないだスイッチを押すことで、ページの移動ができた。
※再び本棚(ライブラリ)に戻るのに、←キーに相当するスイッチと上記の3つのスイッチで可能であった。
①「アプリの起動」の方法で、かなトークを立ち上げた。
②↓キーに相当するスイッチで「発声」まで移動した。
③→ キーに相当するスイッチを押して、入力する文字まで、移動した。
④目的の文字にフォーカスが当たった状態で、Tapにつないだスイッチを押すと、文字が入力できた。
⑤続けて入力する場合は、そのまま→ キーに相当するスイッチを押した。
⑥最後の「お」まで移動してしまった場合や、対象の文字が過ぎ去ってしまった場合は、←キーに相当するスイッチを押せば、戻ることができた。
スイッチで利用するとき、指導されるかたに役立つかもしれない操作法です。
★VoiceOverの音声だけをオフする。
◎3本の指で、画面を2回タップ(Ctrl + Alt + S)
VoiceOverの音だけが、オン・オフします。効果音や、音楽は鳴ります。VoiceOverの音が必要でない場合に使用します。
※スリープ後も、上記の設定は有効です。
★ホームスクリーンに戻る。
◎4ないし5本の指で、ピンチイン(Ctrl + Alt + H)
★マルチタスクペインを開く
◎スワイプアップ(Ctrl + Alt +H 2回)
スワイプアップ・ダウンでマルチタスクペインが開いたり閉じたりします。
●入手可能なスイッチインターフェース
現時点(2012/5/22)では、日本製のものはありません。海外から個人で輸入するほかありませんが、クレジットカードとお金さえあれば、簡単に輸入できるるようです。
改造はどうもという方には、現時点で次の製品がもっとも良いと思います。このスイッチインターフェースは最大4個のスイッチ(デフォルトでは、Space,Enter,1,3キーのようです。)をつなげることができます。
初期設定で、現時点で販売されているスイッチ対応アプリのすべてに利用できるようです。また、音楽の再生や停止なども、アプリを切り替えることなく、スイッチ操作でできるようです。
4個のスイッチには、各スイッチ毎に24種類のキーコードやコマンドを1つ選んで、設定できます。
実際に利用できるかや、法的な問題などは各自の責任で購入してください。
対応機種はiPad,iPhone,iPodとなっています。
(画像はInclusive Technologyより)
Switch4Apps(英語)
£129(約19000円)
http://www.inclusive.co.uk/switch4apps-p5978
販売はInclusive Technologyという支援技術で有名な英国の会社が行っています。
実際に個人輸入されたKintaさんの記事があります。
今度はこれを注文してみた「Switch4Apps」
http://kinta.cocolog-nifty.com/kinta/2012/05/switch4apps-b94.html
「Switch4Apps 」来ました! kintaのブログ
http://kinta.cocolog-nifty.com/kinta/2012/05/switch4apps-3af.html
参照
APPlicator(販売名はSwitch4Appsです。)
PDFの詳しいマニュアルもあります。
●スイッチインターフェースの代わりになる製品
キーボードの改造や海外から輸入するのは、どうもという方は上記の実験と同じように、iPad Camera Connection KitまたはLightning - USBカメラアダプタ(著者は使ったことがありません。AbleNetの情報より)を利用する、次の①②の方法があります。
①iPadと外部スイッチを使った「はしたない?」実験で使ったフットスイッチを用いる方法。
このフットスイッチはWindows用ですが、やはりAppleカメラコネクタにつなぐと、iPadで利用可能です。フットスイッチにキーコードを設定するのには、付属のソフト(Hid Foot Switch)をWindowsのパソコンにインストールしてやります。アプリによって、Spaceキーか、(テンキーではない)1のキーを設定します(プログラマブルと言います)。
このフットスイッチはアマゾアンなどで、1380円で売られています(2012/5/25現在)。3個のスイッチのものもあり、これは2280円です。
これらを改造して、スイッチ入力用のコネクタをつけることにより、外部スイッチが利用可能となります。
(画像はamazonより)
参照
Amazon.co.jp: USBフットペダルスイッチ マウス操作対応 RI-FP1BK パソコン・周辺機器★付属のソフト(Hid Foot Switch)の設定画面ペダル(スイッチ)1個の場合
②REVIVE USBを使う方法
REVIVE USBは、オリジナルのUSB入力デバイスです。これに、キーボードの設定をして、AppleカメラコネクタやiBow Dockに付けると、iPadが認識します。iPadだけでなく、Windowsのスイッチインターフェースとしても用いることができます。
特徴としては、文字入力を除いてVoiceOverの多くのショートカットキーをスイッチで行うことができることです(12個のピンにキーコードを割り当てることが可能)。有線という欠点がありますが、汎用性の高いスイッチインターフェースです。
(画像はAssembly Deskより)
参照
Assembly Desk - REVIVE USB
下の写真は、REVIVE USBを使って私が製作した「JoiPad 1号」(クリックすると拡大します)です。
付属のソフト(REVIVE_USB_CT.)で各ピンにキーコードを割り付けることにより、VoiceOverの操作がほぼすべて可能です(プログラマブルです)。
さらに、各ピンにスペースやエンターを割り付けることによりスイッチ対応アプリも操作できます。
REVIVE USBがBluetoothに対応してくれたら、飛躍的に使い勝手が良くなるのですが・・・。
③ipadタッチャー使う方法
iPadのタッチパネルに直接、静電ユニット(iPadに貼り付けてる部分)を当て、ジャックにつなげたスイッチを押すことによって、画面をタッチする動作を生じさせるものです。これもスイッチインターフェースと言えますね。画面が一部隠れるという欠点はありますが、iPadではある意味、今まで説明したインターフェースより汎用性は高いです。太鼓の達人などVoiceover非対応の多くのアプリのに利用できます。またipadタッチャーを複数使うことによって、スイッチの数は増えますが、より多くのアプリでよりいろいろな操作が可能になります。
ぽっしぇ 公式ウェブサイトipadタッチャー アシステック・オンラインショップ
価格 2,940円
(画像はアシステック・オンラインショップより)
参照
コレスペニュース&コラムな日記 - iPadでスイッチ操作(自作のもの。動画もあります。)
★iPadタッチャーの制作
以下のページを参考にしてください。写真つきで、詳しく書かれています。沢山作成する場合は、1台500円ぐらいで制作できるようです。iPadタッチャー Jun 16, - 風に吹かれて…
次のページには、4カ所を操作できるiPadタッチャーの写真があります。
iPadタッチャー、その後 Jul 30, - 風に吹かれて…
★アシスティブタッチと組み合わせた利用(アプリはiLoveFireworks Lite)iPadタッチャーは静電ユニットだけがタッチされることになります。したがって、花火系のアプリなどでタッチされている面積が少なく派手な花火になりません。その場合、アシスティブタッチの「ジェスチャー」→「指5本」を選択すると、派手な花火になります。ただし、iPad2以降は、「設定」→「一般」→「Siri」でオフにする必要があります。これをしないとアシスティブタッチの「ジェスチャー」が表示されません。このように、アシスティブタッチとうまく組み合わせることで、iPadタッチャーの効果的な利用ができます。
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●フットペダルスイッチを利用したスイッチインターフェースの製作
まず、Amazonなどで、USBフットペダルスイッチを購入してください。私の場合は、スイッチが1つのもの(1.380円)を購入し、iPadで利用できることや改造できることを確認して、その後に3つのもの(2.280円)を購入しました。後者はまだ改造(2012/6)していません。
iPadカメラコネクションキットをお持ちでない方は、購入する必要がありますが、Amazonで買ったiPad 用 2in1 コネクションキット(600円 送料込み)でも利用可能でした。
したがって、スイッチインターフェースを制作するための費用はジャックも含めると、最低2.100円程度必要です。ただし、フットペダルスイッチはできれば3連のもののほうが、2スイッチ ステップスキャンやVoiceOverによる操作もできるので、応用範囲は広がります。
改造は、ケースの内部の空間が広く、接点の間隔も広いので、マウスを改造するより簡単かと思います。
★改造方法
①心棒を固定している底面のネジをはずす。
②心棒を鉛筆などで押して、一部が出てきたら、ラジオペンチなどで引き抜く。
③ペダルスイッチの上面のケースを外す。
④基盤のネジを外し、基盤を下面のケースから外す。
⑤下面のケースにジャック用の穴を開ける。
⑥写真の赤枠の2つの接点に、導線をハンダづけし、ジャックとつなぐ。
⑦ジャックを下面のケースに取り付ける。
⑧上面のケースの一部が、ジャックやプラグに当たらないように、金鋸などで切り取る。(上記の写真は、切り取り過ぎです。ジャックの大きさに合わせてください。)
⑨組み立てなおして、USB端子をカメラコネクションキットにつなぐ。
以上です。
実際に使ってみた例は、以下のページを参考にしてください。
iPadと外部スイッチを使った「しんぼうのない」実験 その1
iPadと外部スイッチを使った「しんぼうのない」実験 その2
●お勧めスイッチ対応アプリ
現時点(2013/5)では、日本語対応のものはトーキングエイド for iPad(EnterとH 評価版あり 6,500円・6,900円)とVoice4u(オートスキャンのみ対応 1または3キー 5,200円)です。iTunes App Storeで購入することができる海外製のアプリの中で、スイッチで操作でき言語に関係なく利用可能で価格の安いものをいくつか紹介します。
(画像はiTunes App Storeより)
- Switch Kids Lite 85円 1スイッチ Enterキー
フルバージョンは1,700円です。
スイッチを押すたびに、子どもが服を着ていくというものなど、一般にSwitch Buildと呼ばれるジャンルのもので、Cause & Effectの次の段階のものです。
このアプリは、私のブログで紹介しています。
iPadと外部スイッチを使った「はしたない?」実験
- SoundingBoard 無料 オートスキャン・2スイッチステップスキャンに対応 1,3キー
現時点では無料です。(無料になる前は4,400円で販売されていました。)
英語表記ですが、日本語を表示できます。
無料でかつスイッチ対応なので、一押しのめVOCAアプリです。
音声は録音音声を用います。
このアプリは、私のブログで紹介しています。
iPadと外部スイッチを使った「ボカボカ」な実験
- MusicReader PDF for iPad 85円 ↑,↓キー
楽譜をめくるためのアプリですが、PDFファイルのページをめくることができます。
↓キーに相当するスイッチを押すことで、絵本の次のページに進みます。↑で前のページに戻ります。
Word2007を使って、PDFの絵本の作り方も解説しています。
このアプリは、私のブログで紹介しています。
iPadと外部スイッチを使った「おたまじゃくし」な実験1
iPadと外部スイッチを使った「おたまじゃくし」な実験 その2
「できiPad。」で操作
- Cause and Effect Sensory Light Box 250円 1スイッチ 1,3,Spaceキーなど
Cause & Effectのアプリです。重度の重複障がいのお子さん向きのアプリです。スイッチを押す、あるいはタッチするという動作が、iPadに描写される画像の変化や音の変化に関連付けることを目標にしています。
- このアプリは、スイッチを1度押すと1秒から30秒間動作が続くという設定や、スイッチを1回押すと動作がはじまり、2度目で終わるという設定ができます。
また、続けて何度もスイッチを押しても、ある一定時間反応しないようにする設定もあります。
さらに、音や声などを発することにより、動作するモードもあり、重度の重複障がいのお子さんに合わせた設定ができ、なかなか優れたソフトだと思います。1つのスイッチを利用します。スイッチの持続時間など変更もでき優れたアプリです。
スイッチ設定ですが、最初の画面の右上にある設定アイコンをタップすると、上の画面が表示されます。もし、この画面にBluetooth Switchがなければ、Cause and Effect のバージョンが古いです。
アプリのバージョンアップしてください。
スイッチに対応する、キーは1、3、Spaceです。
あとは、Bluetooth Switchをタップして右上の戻るアイコンをタップすると、最初の画面に戻ります。適当にアクティビテイを選んでください。
「できiPad。」を使う場合は、スイッチ対応アプリモードにして、SW1からSW3まで、どれでもよいですから外部スイッチを接続して、スイッチを押すと反応が生じます。
●他に、このようなスイッチ対応アプリもあります。
- Scene & Heard Lite 無料 オートスキャン(1キー)・2スイッチステップスキャンに対応 3,1キー 1で決定
フルバージョンは4,300円です。
日本では、あまりなじみがないかもしれませんが、Visual Screen DisplayというVOCAのジャンルに入るアプリです。
このアプリは、私のブログで紹介しています。
iPadと外部スイッチを使った「ビジュアル」な実験
- Inclusive Smarty Pants
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- Five Sharks Swimming
- Aunty Maggie’s Recipe
以上3点はいずれもInclusive Technologyが販売しているアプリです。
すべて250円です。この会社は多くのスイッチ対応アプリの発売しています。
- Switch Accessible Mazes: Lite Version
外部スイッチ対応の迷路アプリです。
オートスキャン・ステップスキャンに対応。
キーは、1,3 Space Enterです。
ライトバージョンで無料
- Switch Accessible Matching - Lite Version
ライトバージョンでこちらも無料
外部スイッチ対応のスロットマシンーンの単純な絵合わせアプリです。
オートスキャン・ステップスキャンに対応。
キーは、1,3 Space Enterです。
- 参照 Switch Accessible Apps for iPad/iPhone(PDF 2013/04/01版 英語)
●「できiPad。」
「できマウス。」プロジェクトの町田さんが、スイッチインターフェース「できiPad。」を開発をされ、2013年4月にとうとう発売されました。日本で最初の汎用スイッチインターフェースです。
これでやっと日本でもスイッチを利用したiPad操作の時代がやってきました。
本体価格:15,800円
電源:バッテリBox: 700円
ACアダプタ:1,200円
送料:500円
です。
電池を利用するならACアダプタは必要ないので17,000円で購入できます。
その機能からみて非常にお買い得だと思います。
なお、購入方法やマニュアルなどの詳細は以下のページを見てください。
http://dekimouse.org/wp/kiki/deki_ipad/
また、アップツーデートの情報は以下で見れます。
「できマウス。」プロジェクト
http://www.facebook.com/dekimouse.org
※Facebookですが、Facebookに登録していなくても見ることはできます。また、表題は「できマウス。」ですが、「できiPad。」のことが中心です。
Droptalkを「できiPad。」で操作
さて、私は「できiPad。」のテストを、開発者の町田様から依頼され、発売前からしていました。以下にその感想を書きます。
このスイッチインターフェースの特徴は、以下の3点です。
①モールス信号のようにスイッチを押す時間の長短を組み合わせて、Voiceoverの機能を利用しiPadを操作する。
②上記の操作を、スイッチ1、2、4個で利用するモードがある。
③スイッチ対応アプリを操作できる。
①が一番わかりにくいと思いますので説明します。
たとえば、1回だけ短時間スイッチを押すと、フォーカスが移動します。短時間押し1回と長時間押し1回で、フォーカスが自動的に、つぎつぎと移動します(オートスキャン)。そして、短押し2回でフォーカスのあたっているものが選択されます。
海外で、販売されているスイッチインターフェースで、Voiceoverを利用してスキャンするものは、ひとつのスイッチを押す時間の長さによって操作を変えています。
押す長さが5段階ぐらいあって、そろぞれに別の機能を与えているのです。
モールス信号方式と、押す時間の長さで機能を変更する方式で、どちらが利用者の身体や認知の負担が少ないかは判断が難しいですが、いずれにしても神経性の難病のかたには、利用が可能だと思われます。
アテトーゼ型の脳性まひの場合は、Voiceoverを利用してスキャンするのは、どちらも難しいのではないでしょうか。AppleがiOSを外部スイッチに対応してくれることが望まれます。
左の写真のアプリは、 Voice4uで「できiPad。」の、 1スイッチモードで操作しています。
右の写真のアプリは、 Cause and Effect Sensory Light Boxで「できiPad。」の、 スイッチ対応アプリモードで操作しています。
●内外のスイッチインターフェースの動向
2013年1月の時点では、日本や世界の動向は、やはりVoiceOverの機能を使って、アプリを操作するものが主流ですが、純粋にスイッチに対応したアプリも徐々にですが増えてきています。
さらにiCadeと呼ばれる、1970年代のアーケードゲーム(たとえばインベーダーゲーム)を彷彿させる入力機器が海外でヒットしているようです。
この入力機器に対応したAACアプリなどが、今後開発されれば、むしろiCadeを改造して利用するほうが、子どもたちに利用できるゲームも多いので、役立つかもしれません。以下、日本と海外の動向を羅列します。
- iPad用スイッチインターフェースであるテクラシールドがとうとう日本でも発売されました。これは、カナダのKomodo OpenLab社のものを広島の株式会社ライフテックサポートが販売しています。
これはVoiceOverの機能を用いたスイッチインターフェースです。
1つのスイッチでVoiceOver対応のアプリを操作することができます。1つのスイッチで行う場合で、PCのオートスキャンと違う点は、スイッチを押し続ける時間で、違った機能を割り当てている点です。
したがって、アテトーゼのある方などは、操作は難しいと思われます。その場合は、ステップスキャンを用いることになりますがスイッチは3個と、一般にはスイッチアダプタが必要です。(テクラシールドには、スイッチポートが2つしかないため)
本来ステップスキャンは2個のスイッチですが、PCのスキャンと違うのは、iPad自体がスイッチに対応できるユーザーインターフェースになっていないからです。
テクラシールド for iPhone/iPad
対応 iPad・iPhone
販売 株式会社ライフテックサポート
価格 51,450円 2013/1/20日現在
マニュアルや動画などは、以下のページで見ることができます。
http://www.lifetech-s.jp/communication.htm
※VoiceOver対応のアプリでも、その操作がすべてできるわけではありません。
参照
Tecla Shield for iPhone and iPad – Adding greater switch access to iOS | Jane Farrall's Blog(英語)
http://www.janefarrall.com/blog/2012/05/29/tecla-shield-for-iphone-and-ipad-adding-greater-switch-access-to-ios/
※Androidには使えません。別にAndroid用があります。
- 日本では、 「トーキングエイド for iPad」のワイヤレススイッチボックスがBluetooth対応のスイッチインターフェースです。
現時点では「トーキングエイド for iPad」専用で、他のアプリには対応していないと、Webページには書かれています。
ただし、このスイッチインターフェースも、iPadに対して、キーボードとして認識されています。スイッチ対応アプリの入力に使われているspaceなどのキーコードを、iPadに送ることは、簡単です。したがって、5月16日現在は、対応してませんが、ファームウェアの変更などによって。対応できるものと思われます。あるいは、もしかしてもしかしたらディップスイッチの変更で、すでにできるようになっているかもしれません。
(画像はe-At協会より)
以下引用
※ 2012年5月16日現在、本ワイヤレススイッチボックスは、トーキングエイド for iPadの「テキスト入力版」アプリ専用です。他のアプリでは、稼動しません。
参照
e-ATオンラインストア-商品詳細 ワイヤレススイッチボックス 59,800 円
- アメリカでは、支援機器で有名なAblenetがケースやスピーカ付きのBluetooth対応スイッチインターフェースを開発しています。2012年の9月に発売予定ということです。製品名は「Evernote」です。これも1個のスイッチでVoiceOverを使って操作するものです。オートスキャンが可能です。
参照
Keynote Ablenet
- 英国では、Switch4Appsを販売しているInclusive Technologyが、オートスキャンもステップスキャンも可能で、さらにスクリーンキーボードをスキャンするという強力なスイッチインターフェースを2012年6月に販売予定です。
iBookのページをめくる機能もあるという機能てんこ盛りのスイッチインターフェースです。
Switch4Appsとの大きな違いは、たった1個のスイッチで、オートスキャンを用い、iPadを操作できることです。ただし、各スイッチに割り当てることができる機能は、スキャンの機能と、Space,Enter,1,3キーを割り当てる機能です。
上記のAblenetの製品は個人輸入できないようなので、これが手に入れることができる最強のものになるかもしれません。
Switch2Scan 価格は£139
(画像はInclusive Technologyより)
参照
Switch2Scan - Pretorian Technologies
PDFの詳しいマニュアルもあります。
- 海外ではiPadを使うゲーマーのほうに、新しいトレンドが起こっています。それはiCade対応アプリがAtari’s Greatest Hits(100タイトル)以外に非常に増えてきたということです(2012/9/15 250タイトル以上)。また、アプリを作成するための開発キット(SDK)が公開されています。
参照
iCadeの各スイッチのキーマップ(PDF 英文)
さらに、iCade modeが可能なiPad・iPhone用のBluetooth対応入力機器も増えてきています。スイッチ入力のみを考えた場合は、iCadeを始めとした入力機器を改造するほうが、手っ取り早く対応アプリも多いです。ただし、iCade mode対応アプリは現時点ではゲームのみのようです。
iCade(英語)
(画像はION Audioより)
対応ゲーム
ION Audio Website - iCade Compatible Games(500を超えるタイトルがあるようです。英語)
価格 4,980 通常配送無料(アマゾン) 2014年1月5日現在
iCade modeのある入力機器
iControlPad(英語)
価格 7000円ぐらいだそうです。現在アマゾンでは、在庫無し
Gametel(英語)
価格 8820円だそうです。日本のアマゾンでは販売していないようです。
- 楽譜めくりアプリ用のスイッチインターフェースがあります。これは、最近というより2010年頃から販売されていたようです。次の2機種があります。基本的には、PageUpとPageDownのキーコードで、ページを前後に移動させています。
AirTurn
これはPageUpとPageDownのみのようです。このサイトにどんなアプリが対応するか書かれています。外部スイッチはフットスイッチを用いています。プラグの形状(たぶんステレオ)に注意。
PageFlip Cicada(英語)
これは、確かにセミ(Cicada)に見えますね。実は、Ablenetから出ているBlue2というスイッチインターフェースです。販売する会社と名前だけが違っています。以下の5つのモードがあります。楽譜めくりには、Mode 1を用います。入手可能なスイッチ対応アプリにあげたSoundingBoardはMode 5を使います。
Mode 1: Page Up / Page Down
Mode 2: Left Arrow / Right Arrow
Mode 3: Up Arrow / Down Arrow
Mode 4: Left Mouse Click / Right Mouse Click
Mode 5: Space / Enter
- 従来のスイッチインターフェースを、Apple カメラ接続キットを利用すればiPad用のスイッチインターフェースとして用いることも可能です。支援学校では、従来から1MacやWindows用のスイッチインターフェースが利用されていました。これをiPadでも生かすことができます。
例1 スイッチインターフェイスUSB
アプリは、Cause and Effect Sensory Light Box 250円
(写真は、東京都K特別支援学校 T先生御提供)
このアプリは、スイッチを1度押すと1秒から30秒動作が続いたり、スイッチを1回押すと動作がはじまり、2度目で終わるという設定ができます。
また、続けて何度もスイッチを押しても、ある一定時間反応しないようにする設定もあります。
さらに、音で反応するモードもあり、重度の重複障がいのお子さんに合わせた設定ができ、なかなか優れたソフトだと思います。
例2 Swiftyを利用
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(写真は東京都K特別支援学校 T先生御提供)
- もろQさんのサイトに、Bluetoothキーボードを改造したスイッチインターフェースが紹介されました。
もろQの 授業 教材アイディア 集 (肢体不自由 特別支援 教育): 改造1000円ブルートゥースースキーボード
これは、Spaceキーだけですが、同様にEnter,1,3などのキーにジャックを取り付けてやると、ほぼすべてのスイッチ対応アプリは利用できますが、半田付けが相当難しです。
- Bluetoothキーボードを改造したスイッチインターフェース
Enterとスペースを取り出したものです。これも1,3を取り出すと、ほぼすべてのスイッチ対応アプリは利用できます。上記に比べて難易度は低いですが、やはり半田付けが難しそうです。なお付属のラバーのキーボード部分はペアリングのため必要なので捨てないようにして下さい。
写真および情報は、東京都K特別支援学校 T先生御提供
ELECOM BluetoothR3.0対応ワイヤレスキーボード
TK-FBS035Eシリーズ 5670円
http://www2.elecom.co.jp/peripheral/full-keyboard/tk-fbs035e/index.asp
- Bluetooth接続マルチメディアリモコンの改造
CENTURYという会社から出している iRemote Shutter(アイリモート シャッター)を、改造したスイッチインターフェース Amazonで2,709円
http://www.century.co.jp/products/ipod/accessory/cia-btmr.html
写真および情報は、東京都K特別支援学校 T先生御提供
写真のように、iPadのカメラで写真を撮るだけでなく、音楽の再生、スイッチ対応アプリの操作ができます。1,3,Enterは取り出せますが、Spaceは不可です。Spaceがなくてもたいていのスイッチ対応ソフトは操作可能です。
注目すべきは、下記の配線です。元のリモコンの基盤を取り出して別のケースに入れて制作されています。基盤に半田付けされていますが、Bluetoothキーボードの場合のようにLSIの足や小さなキーの接点に半田付けする必要がないため、比較的簡単に改造できそうです。また、2,709円と手ごろで、子どもたちが楽しめる機能がスイッチで操作できるためお勧めです。本格的なスイッチインターフェースは安くても1万円後半ですから、肢体不自由の学校でも複数購入するのは難しいかもしれません。そういった場合、このスイッチインターフェースはお手軽です。
- iPadのスイッチ対応アプリおよびスイッチインタフェースについては、オーストラリアのJane Farrallさんのブログが最も詳しく、情報が定期的に更新されています。
How do I use a Switch or Joystick with an iPad? ? October 2012 update!(英語)
アプリおよびスイッチインターフェースの一覧表もPDFであります。スイッチ入力の場合、各アプリがどのキーコードを利用するか書かれています。
Switch Accessible Apps for iPad/iPhone(PDF 2013/04/01版 英語)