マジカルイベントでは何回も展示に来てくださっているオリィ研究所の所長、吉藤オリィくんの2冊目の本です。

いろいろと乗り遅れていて、彼の活動は凄いなと思いながらも他の人から十分に評価を受けているので距離を置いてみていました。
さて、読ませてもらった本の中で私が一番印象に残ったのは
文句が出る = それだけ新しい
ということ、彼ぐらいにとんがってくればいろんな人がいろいろなことをいってくるでしょう。沢山の方が肯定的に見ていると思いますが、それでも必ず否定的に見る人はいるはず。
そんな事があっても人間やはり傷つくものです。
しかし、考え方をリフレーミングすればそれだけ新しいと捉えることで逆の意味で認められていると考えることができます。
無視するよりもいいのでしょうね。
これからも新しい展開を期待したいですね。
その他にもいろいろと面白かったのですが、
自分の肉体はどこまで必要なのか
ということ、彼自身も病弱な部分があり、体調が悪くて大学に通学できなかったことの話。今の大学はどこも、出席管理がとても厳しくなっています。原則1/3以上の出席がないと単位を評価することもしてもらえません。
そこで、「ビデオチャット」で授業に参加をしてはダメですかという提案を教員にする。もちろん、その当時の返事としてはNG。
普通の学生ならそれであきらめるでしょう。
彼は、それならということで、自分の顔を3Dスキャナにかけて作ったシリコンマスクをorihimeにつけた「ケンタロイド」を教室に持っていってもらい授業参加した。
その上で、教室では積極的に質問や発言をし、授業にいるにはいるが、寝てて授業を聞いていない学生がいることを指摘して、どちらが授業に参加しているといえるかを教員に説いたのです。
もちろん、それまですれば授業参加だと認めてもらうことになります。
この思いは、授業に参加したいと思っていても参加できない多くの病弱の子どもたちの授業参加にorihimeが使われていることと通じているといえます。
文部科学省も、初等中等教育での、そういった授業参加を認めるようになりました。

島根県鳥取県(関係者の皆さん大変失礼しました)は全国初で(どんな事がとおもうが)取組も始まったそうです。

さて、この本のキモは最後のところ。彼のパートナーであった番田くんの事が書かれています。オリィくんにさまざまな示唆を与えた番田くんは残念ながら2017年に亡くなられてしまいましたが、その番田くんの思いをさまざまな形で実現させていったのがorihimeなのだという事がよく分かります。
ぜひ、読んでもらいたい本ですが、実はこのorihimeが出る映画が2月9日から始まっています。

さて、今日は時間がとれそうなので、見にいってみようかな。