昔からの知り合いに以下の2つの質問を受けました。
個人情報等配慮して文面を編集してありますが、ニュアンスは変わっていないと思います。
けっこう、興味深い質問だったので、了解をもらって転載します。
質問1
去年の夏のATの活用研修で使われていたパワーポイント画像3人の子どもが野球を見ている、
踏台の配分を例に平等と公平を説明したものあのイラストの元々の出展はどこでしょう。また、 著作権等印刷配布する資料に入れてよいものでしょうか。
ご質問の1ですが、引用元はこちらです。
そして、それの引用元はこちらのアドレスなんですが、今はつながりません。
アドレス http://indianfunnypicture.com/img/2013/01/Equality-Doesnt-Means-Justice-Facebook-Pics.jpg
さて、そのまま使えるかということですが、
ただ気になるようなら、オリジナルで図を書いてしまうという人もいます。
坂井さんが「特別支援教育とAT 第7集」に書いています。
Wordの図形機能だけで作られたそうですが、場合によっては、こちらの方が理解しやすいでしょうね。
質問2
合理的配慮のことで教えてください。
たとえば、教室内に一人、聞き言葉では情報を得るより、視覚的に示してもらったほうがわかりやすい子どもがいる場合。ユニバーサルデザインの授業として視覚的な手掛かりを増やすということがあると思います。
これは「合理的配慮」という観点とは言えないのでしょうか。
基礎的環境整備と合理的配慮が対比的に示されている例が文科省の方でもあり、何か手掛かりがほしいのですが。
という質問でした。
合理的配慮と基礎的環境整備は必ず分離されるものではないと考えます。
ですので、それぞれはその状況状況で捉え方は変わると私は思っています。
そう書いたのがこちら。
上記の明治図書「LD,ADHD&ASD 2015年7月号 授業にいかす!ユニバーサルデザインの視点」の原稿で、別の場所でUDLについて以下のように書きました。
しかし,実はICTを含めた、ATの活用はUDLを大きく推し進める面も持っている事が分かります。それが、デジタル教科書を含むデジタル技術です。再び引用します。
「優秀な教育者たちは、何千年にもわたって、カリキュラムを個々に合わせて変える方法を見つけてきたが、UDL の分野は、近年の強力なデジタル技術を使って、より簡単かつ効果的にカリキュラムを多様な生徒たちのためにカスタマイズや個別化できる時代の到来に、多大なる恩恵を受けている。このような“その場でできる”カリキュラムの個別化が、テクノロジーと学習科学の進歩によって、 実践的かつ費用対効果の高い方法で可能になった。さらに、新しい媒体の効果的な使い方を学んだり実践したりすること自体が、重要な教育効果をもたらす。新しい媒体は、仕事でも、コミュニケーションや娯楽においても我々の文化を席巻している。いま現在学校にいる全ての生徒は、かつてよりもずっと高レベルのリテラシーを必要としているが、それだけでなく、昨今の我々の文化にもっと通用する媒体を使った、より広いリテラシーを必要としている。」
と書かれています。ユニバーサルデザインというと1つの製品が多くの人に使えるものとなっていると解釈されそうですが、このUDLについては多くの表現に「オプション(選択)」というものが書かれています。つまり、個々のニーズに対応することは,大多数の汎用品ではなく、個別に対応できるようにもなっているのではないかと考えられます。そして、それを実現するのは、これまでのアナログの技術ではなかなか難しかったことがデジタル技術で解決できるようになるのではないでしょうか?
UDLについては、こちらが参考になります。